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応用美術の著作物性に関する最新裁判例

2015年4月22日
読了時間: 3分

更新日:10月28日

この記事の案内

記事の種類:判決紹介

表示・分類の確認日:2026年9月30日

分類:著作権

論点:著作物性 / 応用美術

HP掲載日:2015-04-22

 応用美術の著作物性については、従来、美術の著作物と比較して、創作性のハードルが高く設定されるという考え方が主流でした。

 近時、ドイツ等の諸外国においては、応用美術と美術とで区別しない考え方が多数であると報告されていたところで、本判決は、そのような諸外国の実務に近付いたと評価できます。

(平26(ネ)10063号)

https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-85044.pdf

<判旨引用>

 ⒝ そこで,実用品である控訴人製品が,「美術の著作物」として著作権法上保護され得るかが問題となる。  この点に関しては,いわゆる応用美術と呼ばれる,実用に供され,あるいは産業上の利用を目的とする表現物(以下,この表現物を「応用美術」という。)が,「美術の著作物」に該当し得るかが問題となるところ,応用美術については,著作権法上,明文の規定が存在しない。  しかしながら,著作権法が,「文化的所産の公正な利用に留意しつつ,著作者等の権利の保護を図り,もって文化の発展に寄与することを目的と」していること(同法1条)に鑑みると,表現物につき,実用に供されること又は産業上の利用を目的とすることをもって,直ちに著作物性を一律に否定することは,相当ではない。同法2条2項は,「美術の著作物」の例示規定にすぎず,例示に係る「美術工芸品」に該当しない応用美術であっても,同条1項1号所定の著作物性の要件を充たすものについては,「美術の著作物」として,同法上保護されるものと解すべきである。  したがって,控訴人製品は,上記著作物性の要件を充たせば,「美術の著作物」として同法上の保護を受けるものといえる。   b 著作物性の要件についてみると,ある表現物が「著作物」として著作権法上の保護を受けるためには,「思想又は感情を創作的に表現したもの」であることを要し(同法2条1項1号),「創作的に表現したもの」といえるためには,当該表現が,厳密な意味で独創性を有することまでは要しないものの,作成者の何らかの個性が発揮されたものでなければならない。表現が平凡かつありふれたものである場合,当該表現は,作成者の個性が発揮されたものとはいえず,「創作的」な表現ということはできない。  応用美術は,装身具等実用品自体であるもの,家具に施された彫刻等実用品と結合されたもの,染色図案等実用品の模様として利用されることを目的とするものなど様々であり(甲90,甲91,甲93,甲94),表現態様も多様であるから,応用美術に一律に適用すべきものとして,高い創作性の有無の判断基準を設定することは相当とはいえず,個別具体的に,作成者の個性が発揮されているか否かを検討すべきである。



更新・訂正履歴

本欄は2026年9月30日から記録する。表示・分類の確認日は、判決や法令の内容を再確認した日を意味するものではない。

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