【論稿/特許】翻訳者の立場から見た明細書で避けてほしい用語-特に「自社」、「自装置」、「自車両」(倉増一、パテント誌2025年3月)
更新日:4 時間前
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分類:特許
論点:明細書作成・翻訳
HP掲載日:2026-09-29
【論稿/特許】翻訳者の立場から見た明細書で避けてほしい用語-特に「自社」、「自装置」、「自車両」(倉増一、パテント誌2025年3月)
1. 「自社」と「他社」の問題
<問題点>:英文翻訳時に its own company や an own company といった文法的に誤った(own は所有格代名詞を伴う必要がある)英語が当てられるケースが多い。
<改善案>:最初の言及では 「ある会社 (a company)」、以降は 「その会社 (the company)」 とする。内部的なニュアンスであれば 「社内 (in-house)」 を検討する。「他社」は 「他の会社 (another company)」 または 「競合他社 (competitor)」 と具体化する。
2. 「自装置」の不明瞭
<問題点>: 英語の its processing を安易に「自装置の処理」と訳すと、文脈によっては「そのコンポーネント自体の処理」なのか、システム全体の処理なのかが不明瞭になる。
改善案>:「この装置 (this device)」、「装置自体 (the device itself)」 と表現する。通信分野等では 「ホスト装置 (host device)」 と 「クライアント装置 (client device)」 のように、役割で呼び分ける。
3. 「自車両」と「他車両」
<問題点>: host vehicle を「自車両」と訳す慣習があるが、日本語の段階で主観的な表現を避けるべきである。
<改善案>:「ホスト車両 (host vehicle)」 や 「対象車両 (subject vehicle)」 と直訳的な客観語を使用する。
「他車両」についても、「標的車両 (target vehicle)」 や 「周辺車両 (surrounding vehicle)」 と具体化することで、複数の車両が登場する際の混同を防ぐ。
<明細書作成者へのアドバイス:>
客観的表現の徹底: 「自」を使わず、「その」「この」や具体的な名称(ホスト、第1の、等)を用いる。
具体的呼称の採用: デバイス名や車両の役割を明示することで、文字等価ではなく「意味等価」な翻訳を促進する。
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