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【論稿/英国特許】FRANDレートの算定を巡る InterDigital v. Lenovo 英国訴訟(小林和人、パテント誌2025年9月)

7 時間前
読了時間: 3分

更新日:5 時間前

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記事の種類:論文・論稿紹介

分類:欧州

主な論点:ライセンス / 差止請求

HP初回掲載日:2026年10月1日

表示・分類確認日:2026年10月1日(法的分析の再確認日ではない)

【論稿/英国特許】FRANDレートの算定を巡る InterDigital v. Lenovo 英国訴訟(小林和人、パテント誌2025年9月)

<主な争点>

①InterDigitalの最終提案(5G Extended Offer)がFRAND条件に適合するか。

②適合しない場合、具体的なFRANDレートはいくらか。

③Lenovoが「Willing Licensee(誠実な実施者)」でない場合、差止命令は認められるか。

1.英国高等法院の判断(EWHC 539, 1578)

 高等法院は、両者のオファーはいずれもFRANDではないと判示した。

 FRANDレートの算定方法:最も比較可能性が高い契約としてLG(2017)を選定。これをベースに、販売地域や規格比率を調整し、1台あたり0.175ドル(ブレンドレート)と算定した。

 一括金の決定:2007年から2023年末までの全期間を対象とし、実施料として1億3870万ドルを提示した。

 利子の付加:支払遅延による利益を排除するため、四半期複利4%の利子(4620万ドル)を付加し、総額を1億8490万ドルとした。

 ボリュームディスカウントへの批判:SamsungやAppleに適用された60〜80%もの大幅な割引は、小規模実施者に対する差別的な行為であり、FRANDではないと指摘した。

 差止命令の当否:Lenovoに判決の条件を受け入れるかの選択肢を与え、拒否した場合のみ差止命令の対象となるとした。

2.控訴院の判断(EWCA Civ 743)

 両者が不服として上訴した結果、控訴院は高等法院のロジックを踏襲しつつも、数値を修正した。

 レートの修正:比較対象としたLG契約の分析を見直し、基礎レートを0.24ドルから0.30ドルへ、調整率を0.728から0.75へと引き上げた。

 最終的な判示:FRANDレートを1台あたり0.225ドルに上方修正した。これにより、一括金の元本は1億7830万ドルとなり、これに同様の利子(4%四半期複利)を加算するよう命じた。

3.結論と示唆 

 本件は、英国裁判所が「比較アプローチ」を重視し、独自の計算で具体的なグローバルレートを導き出した重要な事例である。特に以下の点が実務上重要である。

 ①過去分の支払い: 損害賠償請求権の消滅時効にかかわらず、Willing Licenseeは過去の全実施期間についてロイヤリティを支払うべきであるとされた。

 ②透明性の要求: 大手企業への極端な優遇(不透明なボリュームディスカウント)は、非差別性の観点から否定されるリスクが示された。

 ③利子の重要性: 交渉を長引かせることによる「ホールドアウト」の利得を打ち消すため、複利による利子付加が正当化された。

更新・訂正履歴

本文の訂正・補足と、分類・関連記事・表示の整備を区別して記録する。

2026年10月1日:LinkedInの本人原文を初回掲載。記事種類、分類、論点タグ、出典及び相談案内を整備。

2026年10月1日|表示整備:原文で確認できる事件番号の案内又は日英対訳の検索エンジン向け設定を追加。法的分析の再確認ではない。

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