【商標】知財高判平成21年(行ケ)10075<中野>太極柔力球事件~識別性×、4条1項16号×
更新日:2 日前
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記事種類:判決紹介
分類:商標
論点:識別力
HP掲載日:2026-11-01
表示・分類確認日:2026年11月2日
Ameblo初出:2024-08-17(日本時間)
【商標】知財高判平成21年(行ケ)10075<中野>
登録商標「太極柔力球」
「太極柔力球の興行の企画・運営又は開催」・「太極柔力球のための運動施設の提供」・「太極柔力球のための娯楽施設の提供」及び「太極柔力球のための運動用具の貸与」(41類)という指定役務は、識別力×(商標法3条1項3号)
~登録査定時に、商標権者の活動を指すものであるとの識別力は認められない。
「太極拳の指導に用いられる運動用具」(第28類)という指定商品等は、それ以外に使用する場合は役務の質の誤認を生ずるおそれがある(商標法4条1項16号)
(判旨抜粋)
<商標法3条1項3号>
(1)商標法3条1項3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは,このような商標は,商品の産地,販売地その他の特性を表示記述する標章であって,取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから,特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに,一般的に使用される標章であって,多くの場合自他商品識別力を欠き,商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきである(最高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決・裁判集民事126号507頁[判例時報927号233頁]参照)
(2)裁判所は、当事者から提出された証拠に基づき、太極柔力球は、1991年(平成3年)に中国で山西医科大学晋中学院副教授(山西省衛生学校助教授)Aによって新たなスポーツ(本件運動)として考案されたこと、本件運動は、太極拳の動きを取り入れた球技でラケットとボールを使用すること、コートでネットをはさんで打ち合うことにより競技として行われるほか、音楽の伴奏に合わせて表現する演技としても行われたことを認めた。また、太極柔力球の中国における普及状況として1994年(平成6年)から1996年(平成8年)まで、全国的な太極柔力球指導者講習会が実施されたこと、1996年(平成8年)に開催された第3回全国労働者運動会において「太極柔力球」は正式種目として実施されたこと、「人民日報」にAのインタビューが掲載されたことが認定された、2002年(平成14年)以降は,中国老年人体育協会によって高齢者向けのスポーツとして講習会が開催され、全国大会が行われるなどした事実を認定し、本件商標の登録査定(平成16年8月10日)時に本件運動が中国においてスポーツとして確立していたことは明らかであると評価した。また、日本における普及状況として、原告X2が、2002年(平成14年)に太極柔力球指導員の研修を受けてコーチの資格を得て、堺市市民講座で紹介し、堺市金岡公園体育館で講習会を行ったほか、平成15年8月に太極柔力球普及推進会を設立し、北京で行われた日中平和友好条約締結25周年を記念する祝賀行事に被告の市民交流訪中団が参加し、そこで本件運動の模範演技が行われた等の事実を認定し、本件商標の登録査定(平成16年8月10日)時に、本件運動は、日本においても、中国生まれのスポーツとして「太極柔力球」という名称で知られていたものと評価した。
(3)本件商標である「太極柔力球」は,本件商標の登録査定(平成16年8月10日)時に、中国において、本件運動を指すスポーツの名称として一般的に用いられていたものであって、日本においても、本件運動は,中国生まれのスポーツとして,「太極柔力球」という名称で知られていたものと認められるのであり、前記認定の各事実によっても、本件商標の登録査定(平成16年8月10日)時に、本件商標が原告X2の活動を指すものであるとの識別力を有したとまでいうことはできないから、本件商標は、その指定役務中、「太極柔力球の興行の企画・運営又は開催」・「太極柔力球のための運動施設の提供」・「太極柔力球のための娯楽施設の提供」及び「太極柔力球のための運動用具の貸与」については,その商品又は役務の品質を普通に用いら
<商標法4条1項16号>
本件商標である「太極柔力球」は,本件商標の登録査定(平成16年8月10日)時に,中国において本件運動を指すスポーツの名称として一般的に用いられていたものであって、日本においても、本件運動は中国生まれのスポーツとして「太極柔力球」という名称で知られていたものと認められるから、本件商標は、その指定商品「太極拳の指導に用いられる運動用具」に使用する場合は,商品の品質の誤認を生ずるおそれがあり,また,その指定役務中「太極拳の指導に関する技芸・スポーツ又は知識の教授」及び「太極柔力球の興業の企画・運営又は開催,太極柔力球のための運動施設の提供、太極柔力球のための娯楽施設の提供,太極柔力球のための運動用具の貸与」以外の「スポーツの興業の企画・運営又は開催,運動施設の提供,娯楽施設の提供,運動用具の貸与」に使用する場合は,役務の質の誤認を生ずるおそれがある(商標法4条1項16号)ということができ,その旨の審決に誤りがあるということはできない。
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2026年11月1日:AMEBLO原文をHPへ初回掲載した。
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