【論稿/特許】進歩性判断における設計事項についての調査(鈴木守、長嶺浩之、パテント誌2024年9月)
更新日:4 時間前
この記事の案内
分類:特許
論点:進歩性 / 設計事項 / 数値限定・パラメータ
HP掲載日:2026-09-29
【論稿/特許】進歩性判断における設計事項についての調査(鈴木守、長嶺浩之、パテント誌2024年9月)
「設計事項」の認定基準、特に直接的な証拠(副引例)を示すことなく進歩性を否定できる条件を、装置・システム分野の裁判例に基づき調査した。
実務上、証拠を伴わずに設計事項が認められた裁判例は以下の3類型に集約される。
①数値範囲の限定:明細書に数値限定の根拠や技術的意義(臨界的意義)が記載されておらず、単に公知技術の具体的適用に伴う最適化とみなされる場合。
②複数と単数の違い:機能を1つの構成で行うか、分割して複数の構成で行うかの選択であり、全体としての機能や技術的意義に変化がない場合。
③限られた選択肢:可変式か固定式かといった二択や、極めて少数の組み合わせの中から最適な配置を選択するにすぎない場合。
●平成29年(行ケ)10146【導光フィルム】<高部>
『本願発明の「接着部分」の形状に関する上記①ないし③の数値範囲に臨界的な技術的意義が認められないことからすれば、引用発明の集光シートの凸部の頂部に、引用例2記載技術の凸部に設けた突起状の固定部を適用した構成において、①突起状の固定部の底面(Pw)を凸部の底部(P)の10%未満とすること、②突起状の固定部の各側面を導光シートの平面に対して70度超の角度を成すようにすること、③突起状の固定部を縦長として、固定部の高さの底面に対する比を少なくとも1.5とすることは、いずれも、当業者が適宜調整する設計事項というのが相当である。』
●平成30年(行ケ)10091【手術システム】<鶴岡>
『複数の制御や処理を1台のワークステーションで行うか複数のワークステーションで行うかは、当業者がシステム全体の環境等を考慮して適宜選択すべき設計的事項であるものと認められる』
●平成29年(行ケ)10075【エクササイズバイク】<高部>
『トレーニング機器において、それを使用する使用者の体格や能力に合わせた寸法を有する機材を選択することは、通常行われることであるし、クランクは可変式であるか否かのいずれかであるから、…当業者が適宜選択し得る設計的事項である。』
コメント