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【論稿/欧州特許】日本の特許制度と欧州の特許 制度の留意すべき相違点(野村和弘、パテント誌2025年9月)

9 時間前
読了時間: 4分

更新日:7 時間前

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記事の種類:論文・論稿紹介

分類:特許 / 欧州

主な論点:クレーム解釈 / 新規事項 / 数値限定・パラメータ / 明細書作成・翻訳

HP初回掲載日:2026年10月1日

表示・分類確認日:2026年10月1日(法的分析の再確認日ではない)

【論稿/欧州特許】日本の特許制度と欧州の特許 制度の留意すべき相違点(野村和弘、パテント誌2025年9月)

1. 『請求項(クレーム)』に関する相違

①独立項の数:

 日本: 制限なし。

 欧州: 原則として1カテゴリにつき1つ(規則43条(2))。プラグとソケットのような相互関連製品や代替解決手段などの例外を除き、複数の独立項は認められない。

②カテゴリと用途限定:

 日本: 「物」「方法」「物を生産する方法」の3種。用途限定(例:抗疲労用~)が比較的強く認められる。

 欧州: 「物理的実体」と「活動」の2種。「~のための装置」といった用途限定は、単に「~に適した装置」と解釈され、限定力が弱い。そのため、「非治療的使用」としての使用クレーム化が推奨される。

③多項従属(マルチマルチクレーム):

 日本: 2022年4月より制限あり(委任省令要件違反)。

 欧州: 制限なし。ただし、クレーム数が16以上で追加手数料が発生する。

④引用符号:

 欧州: 図面の符号を括弧書きでクレームに挿入することが強く望まれる(規則43(7))。

2. 『先行技術・先願公開』(自己衝突とグレースピリオド)

 欧州では「自己の出願」が強力な拒絶理由になり得るため、出願戦略に注意を要する。

3. 『補正の制限』(欧州の厳格な「ゴールドスタンダード」)

 欧州の補正要件は日本よりも遥かに厳しく、当初明細書に「直接的かつ一義的」に開示されている必要がある。

<数値限定の補正>:欧州では、明細書に明示されていない数値(例えば実施例の中間値など)を境界値として採用することは非常に困難である。好ましい範囲の組み合わせは、あらかじめ明細書に明記しておくべきである。

<除くクレーム(ディスクレーマ)>

 日本: 進歩性違反の解消に利用されるケースが増えている。

 欧州: 原則として新規性の回復(先願公開との衝突回避など)にのみ認められ、進歩性違反を回避するための導入は認められない(G1/03判決)。

4. 『パラメータ発明』

 特殊なパラメータで発明を特定する場合、欧州では「測定方法」の扱いに厳格さが求められる。

 欧州では、の留意点:パラメータの測定方法は、明細書だけでなくクレーム自体への記載を要求されることが多い。また、ISO等の規格を引用する場合は、規格の変更を考慮し、発行日(年号)まで指定しなければ不明確(不分明)とされるリスクがある。

5. まとめと提言

 日本出願を基礎として欧州展開を考える場合、以下の準備が肝要である。

 ①欧州特有の独立項制限を考慮し、関連発明は可能な限り同日に出願する。

 ②補正の自由度が低いため、あらかじめ多様な数値範囲や多項従属形式のセットを明細書に盛り込んでおく。

 ③公開による新規性喪失のリスクを最小限にするため、欧州でのグレースピリオドは原則「無いもの」として扱う。

更新・訂正履歴

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2026年10月1日:LinkedInの本人原文を初回掲載。記事種類、分類、論点タグ、出典及び相談案内を整備。

2026年10月1日|表示整備:原文で確認できる事件番号の案内又は日英対訳の検索エンジン向け設定を追加。法的分析の再確認ではない。

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