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【論稿/特許】近時の裁判例における明確性判断についての検討(岡田健太郎他、パテント誌2025年6月)

8 時間前
読了時間: 3分

更新日:6 時間前

この記事の案内

記事の種類:論文・論稿紹介

分類:特許

主な論点:明確性 / 明細書作成・翻訳 / PBPクレーム

HP初回掲載日:2026年10月1日

表示・分類確認日:2026年10月1日(法的分析の再確認日ではない)

【論稿/特許】近時の裁判例における明確性判断についての検討(岡田健太郎他、パテント誌2025年6月)

明確性判断が以前より厳しくなっているとはいえない!!

1.「略」「約」等の程度を表す表現の判断

 不明確と判断された例

 多角形断面線材用ダイス事件(No.17):「略多角形」という表現が、製造工程で不可避的に生じる丸み(公差)を指すのか、意図的な形状変更を指すのか区別がつかず、権利範囲が不明確であるとされた。

 明確と判断された例

 耕耘爪事件(No.10)、

 機械公差の範囲内であることを意味すると理解でき、当業者が技術常識に照らして範囲を特定可能であるため、明確とされた。

2.特許庁(審決)と裁判所(判決)の判断傾向

 特許庁が形式的な記載の有無を重視するのに対し、裁判所は当業者の理解可能性を実質的に評価する傾向がある。

 <特許庁>明細書に直接的な定義や算出方法の記載がない場合、形式的に「不明確」と判断しやすい。

 <裁判所>明細書の記載が不十分でも、出願時の技術常識や関連する研究成果を参酌し、当業者が権利範囲を合理的に理解できれば「明確」と判断する(例:車載部品固定用テープ事件、細胞分離方法事件)。

3.実務への提言

 裁判所における明確性判断は依然として柔軟ではあるが、紛争を未然に防ぐためには以下の対策が有効である。

 用語の定義: 「同時」「一体的」などの一般的な用語であっても、解釈の指針となる説明を明細書に盛り込んでおく。

 技術常識の補足: 数値限定が難しい場合、JIS規格やASTM規格などの公的規格を引用し、判断の客観的な拠り所を明示する。

 PBPの回避: 原則として物の構造・特性で特定するドラフティングを心がけ、やむを得ず製法を記載する場合は、その製法と物の構造の関係を論理的に説明する。

更新・訂正履歴

本文の訂正・補足と、分類・関連記事・表示の整備を区別して記録する。

2026年10月1日:LinkedInの本人原文を初回掲載。記事種類、分類、論点タグ、出典及び相談案内を整備。

2026年10月1日|表示整備:原文で確認できる事件番号の案内又は日英対訳の検索エンジン向け設定を追加。法的分析の再確認ではない。

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