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知財高判(大合議)令和5年(ネ)10040【皮下脂肪組織増加促進用組成物】<本多>

10月9日
読了時間: 3分

更新日:4 日前


この記事の案内

記事種類:判決紹介

分類:特許

論点:クレーム解釈

HP掲載日:2026-10-10

表示・分類確認日:2026年10月10日


知財高判(大合議)令和5年(ネ)10040【皮下脂肪組織増加促進用組成物】<本多>

*対価を取得すると、原則として、法69条1項の試験・研究にあたらない

(原判決と異なり、)被控訴人が成分①②③を同時に含む薬剤を調合して投与したと認定した。

⇒充足(特許権者逆転勝訴)

※成分①②と③とを別々に投与しても充足かという注目されていた論点が消滅した…。

本件特許発明に係る「豊胸用組成物」は、豊胸のために使用するものであり、その目的は主として審美にあるとされている。

⇒現在の社会通念に照らして、「人の病気の診断、治療、処置又は予防のため使用する物」ではない。

⇒特許法69条3項の「二以上の医薬(人の病気の診断、 治療、処置又は予防のため使用する物)を混合することにより製造されるべき医薬の発明」に当たらない。

(判旨抜粋)

法69条1項の趣旨は、試験又は研究のためにする特許発明の実施は、通常は特許権者の有する経済的利益を害することはなく、このような実験にまで特許権の効力を及ぼすことは、かえって技術の進歩を阻害し、産業の発達を損なう結果となるため、産業政策上の見地から、特許権者と一般公共の利益との調和を図ることにあると解される。

ここで、特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有するところ(法68条本文)、対価を取得して特許発明を実施する行為は、特許権者の有する経済的利益を害することになり、特許権者と一般公共の利益との調和を図るとの法69条1項の趣旨からすると、同行為に研究目的が併存しているとしても、特段の事情がない限り、「試験又は研究のためにする特許発明の実施」には当たらないと解すべきである。

これを本件についてみると、…被控訴人は…顧客から対価を得て本件手術を提供し、本件手術に用いるために、本件発明の技術的範囲に属する組成物を製造(生産)していたと認められる。…被控訴人が本件手術の対価として顧客から受領していた金額は、値引きがされていることが多いものの、その値引額は一様ではなく、また、被控訴人が主張するモニター期間…であっても値引きしていない例や、モニター期間後であっても多額の値引きをしている例があって、少なくとも、モニター期間であることを理由に、実質的にみて対価とはいえないような低廉な金額で本件手術が提供されたということはできない。そうすると、上記の特段の事情を認めることはできず、被控訴人による本件発明の実施は、「試験又は研究のためにする特許発明の実施」には当たらないというべきである。

AMEBLO原文(2025-08-28):




更新履歴

この履歴は、HP上で実際に行った掲載・表示・分類上の変更を記録するものである。

2026-10-10:LinkedIn原文をHPへ初回掲載し、分類・記事情報・相談先を設定した。

2026年10月10日:論点タグと関連記事案内を更新した。原本文は変更していない。

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