【論稿/特許】除くクレームの限界についての検討(田中研二他、パテント誌2025年6月)
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記事種類:論文・論稿紹介
分類:特許
論点:除くクレーム / 進歩性 / 新規事項 / 明確性 / サポート要件
HP初回掲載日:2026-10-03
表示・分類確認日:2026-10-03
【論稿/特許】除くクレームの限界についての検討(田中研二他、パテント誌2025年6月)
1. 特許庁における判断傾向の分析
2021年度の審査・審判事例を調査した結果、除くクレームによる進歩性の主張が認められなかった割合は12%程度であった。
2. 除くクレームの進歩性が否定される4つの類型
①設計事項:除いた境界の技術的差異が小さく、当業者が適宜変更可能な範囲と判断されたもの。
②新たな引例:当初の引例を回避したものの、別の先行技術が引用されて拒絶されたもの。
③除く範囲が不十分:引用発明との重複部分が完全には除外できていないと判断されたもの。
④引例の必須の構成ではない:引例の任意的特徴を除外したに過ぎず、その構成を省くことが容易と判断されたもの。
⇒主引用発明の必須の構成を除外したクレームは、進歩性が認められる可能性が高い。
3ー1. 除くクレームに起因する『新規事項追加』
当初明細書にない境界値(引例の数値など)を用いた際、新たな技術的事項の導入とみなされるリスクがある。
3ー2.除くクレームに起因する『明確性要件違反」
「~に該当しないもの」といった機能的・抽象的な除外表現が、権利範囲の一義的な把握を妨げると判断される。
3ー3.除くクレームに起因する『サポート・実施可能要件違反』
除外後の残った範囲について、明細書中に具体的な実施例や裏付けが不足していると指摘される。
4. 除くクレーム活用のためのガイドライン
①何を除くべきか:主引例の必須構成(それがなければ課題が解決できない要素)を優先的に除外する。
②書き方の工夫:引例の不明確な記載をそのまま引用せず、技術常識に照らして除く範囲が明確になるよう定義する。
③意見書での主張:単に「重複を除いた」とするだけでなく、それによって引例との「技術的思想の違い」がいかに明確になったかを論理的に説明する。
④出願時の備え:除くクレームはあくまで最終手段とし、当初明細書に多様な下位概念や代替構成を厚く記載しておくことで、通常の限定的減縮の選択肢を確保しておく。
LinkedInプレビューの原資料:https://jpaa-patent.info/patent/viewPdf/4660
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