検索
【論稿/中国特許】中国における優先権主張の注意点-中国最高裁判決の考察を中心として(林軍、胡春豊、パテント誌2023年12月)
【論稿/中国特許】中国における優先権主張の注意点-中国最高裁判決の考察を中心として(林軍、胡春豊、パテント誌2023年12月) 中国最高裁(2019)最高法行申12487号判決 1.事件の概要 先の出願134を引例とする新規性欠如(自己衝突)により拒絶査定を受けた。 2.中国最高裁判所の判断:優先権主張× (1)方法のステップの限定(上位概念化のリスク) 先の出願134では「降温する前のステップ(特定の薬剤添加の前後)」を限定していたが、後の出願004の請求項2ではその限定を削除していた。 ⇒降温前のステップを限定しないことは、発明の範囲に実質的な相違を生じさせる。優先権× (2)連続的な数値範囲の取扱い 先の出願134の濃度範囲が「180G/L~280G/L」であったのに対し、後の出願004の請求項3は「170G/L~280G/L」と範囲を広げていた。 ⇒数値範囲は一つの独立した技術的特徴と見なされるから、部分優先×。 3.優先権と新規性 優先権の判断は「実質的な相違の有無(先出願の原則)」で行われる。 新規性判断は、先行技術に公開さ
【論稿/中国意匠・米国意匠】中国、米国を指定国とする意匠の国際出願の留意点(意匠委員会、パテント誌2025年4月)
【論稿/中国意匠・米国意匠】中国、米国を指定国とする意匠の国際出願の留意点(意匠委員会、パテント誌2025年4月) 1.米国指定時の留意点 意匠特許(DESIGN PATENT)の実務米国では意匠は特許法で保護されるため、クレームの明瞭性が極めて重視される。 当初図面が不明瞭な場合、後からシェーディングを追加する補正は新規事項追加」とみなされるリスクが高い。 DESCRIPTIONの記載~機能的な表現や物品の用途に関する詳細は削除を求められる傾向にある。 また、ディスクレーム(権利範囲からの除外)の記載が推奨される。 2.中国指定時の留意点 ①保護対象の制限:『日本では保護が認められている「平面印刷物の模様、色彩又は両者の組み合わせによって作成され、主に表示を機能とするデザイン」は中国において意匠の保護が認められない』 ②部分意匠の単位:中国では、視覚的に独立した「完全なデザイン単位」を構成する必要があり、日本のように一点鎖線で任意に区画した領域が認められないケースがある。 ③図面の補助線:立体感を示すための補助線(陰影線)は、米国
法情報提供(2026年1月掲載分)
法情報提供(2026年1月掲載分) 対象:2026年1月に弁護士・高石秀樹(中村合同特許法律事務所)が公開した記事 収録件数:34件 一覧ページ:https://www.nakapat.gr.jp/ja/legal_updates_jp/ <今月の見どころ>2026年1月 知財・法務アップデートの重要ポイント 今月のリーガルアップデートでは、分割出願の連鎖、控訴審での新たな無効理由、明細書の科学的誤り、クレーム解釈、国際裁判管轄、標準必須特許及び職務発明まで、知財実務の広い領域にわたる34件の裁判例・解説を取り上げる。重要な判断と実務上のポイントは、以下のとおりである。 1.分割出願の連鎖を揺るがす【車両誘導システム】事件<本多裁判長> 知財高判令和6年(行ケ)10086【車両誘導システム】事件は、第4世代当初明細書等で必要不可欠であった、ETCを利用できない車両を分岐レーンで戻し、その対象を通信可否により判定する構成に注目した。これを限定せず任意の基準・方法による誘導まで含めた第5世代分割出願は、新たな技術的事項を導入したものと判断された。その