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論点別ガイド:AI・知的財産
AIと知的財産をめぐる既存の記事を案内する。音声に関する権利とAI時代の知財戦略を扱う資料を掲載している。
論点別ガイド:損害賠償・権利行使
損害賠償、差止請求、侵害立証など、権利行使に関する記事を案内する。法分野と事案により検討事項は異なるため、各記事の本文と出典を参照されたい。
【論稿/不競法】不正競争防止法2条1項1号における「混同」と「営業上の利益」の関係性(横山久芳、パテント誌2023年10月)
【論稿/不競法】不正競争防止法2条1項1号における「混同」と「営業上の利益」の関係性(横山久芳、パテント誌2023年10月) 1.「広義の混同」の解釈 1号の「混同」には「狭義の混同」(出所の同一性の誤信)と「広義の混同」(出所の関連性の誤信)が含まれるが、2号創設後は、混同のない希釈化・フリーライドの規制は2号に委ね、1号の混同要件は具体的・実質的に判断すべきである。 汚染化のケースについては、2号の著名性要件を事案の性質に応じて柔軟に解釈することで対応し、1号の混同要件を無理に緩和する必要はない。 混同要件を緩やかに解する場合は、周知性要件・営業上の利益侵害要件において実質的な利害調整を行うべきである。 2.購買の前後の混同の取扱い ①「購買前の混同」 購買時に混同が解消している以上、原則として1号の適用は否定される。 (ただし、取引コスト負担により混同解消後も購買先の切り替えが事実上困難な場合は適用の余地あり。) ②「購買後の混同」 使用者(潜在的需要者)への混同は将来の選択に影響するため1号の適用を認める。 転得者において混
【論稿/不競法】品質等誤認惹起表示の救済について-景品表示法、独占禁止法における類似規定との対比も含めて(足立勝、別冊パテント2023年10月)
【論稿/不競法】品質等誤認惹起表示の救済について-景品表示法、独占禁止法における類似規定との対比も含めて(足立勝、別冊パテント2023年10月) 1.景品表示法・独占禁止法との対比 ①景品表示法(5条1号・2号) 優良誤認・有利誤認を規制するが、主に行政処分の対象であり、事業者による差止請求は想定されていない。 ②独占禁止法(19条・一般指定8項) 「ぎまん的顧客誘引」を規制する。 差止請求(24条)は可能だが、「著しい損害」という高いハードルが存在する。 ③不正競争防止法(2条1項20号) 競争者による差止(3条)や損害賠償(4条)が認められており、私法上の救済として中心的な役割を果たす。 差止と損害賠償: 差止(3条)は「誤認のおそれ」があれば足りるが、損害賠償(4条)には故意・過失が必要である。比較広告等の事案では、実験結果の不合理性が判明しても、広告主に過失が認められず損害賠償が否定されるケース(キシリトールガム比較広告事件等)がある。 2.「品質」「内容」の解釈と判断基準 20号が掲げる事項は「限定列挙」であるというのが通説
【論稿/人格権等】声紋の法的保護について(大塚理彦、パテント誌2025年5月)
【論稿/人格権等】声紋の法的保護について(大塚理彦、パテント誌2025年5月) 1.人格権と「声紋権」 現行法上、肖像権は憲法13条の幸福追求権を根拠に認められている。 2.パブリシティ権 〔ピンク・レディー事件〕最判は、肖像等の顧客吸引力を排他的に利用する権利を認めた。 3.著作権法と不正競争防止法 AI開発段階における学習(著作権法30条の4)や実演家の権利(録音・録画権等)だけでは、声の「質」や「作風」の模倣を十分に防ぐことは困難である。 韓国の事例を参考に、不正競争防止法での対応を検討している。 4.結論 声紋を「人格的利益」として認め、「声紋権」を定立することは、パブリシティ権による財産的保護への橋渡しとなる。 生成AI時代において、著作権法の限界を補完するために、人格権の拡張と不正競争防止法の柔軟な運用、あるいは法改正による明文化が求められる。 https://lnkd.in/gQuvmEH2 https://lnkd.in/gtnde68D 声紋の法的保護について — jpaa-patent.info LinkedIn原
【不競法】大阪地判令和6年(ワ)12861『千鳥屋』<松阿彌裁判長>
【不競法】大阪地判令和6年(ワ)12861『千鳥屋』<松阿彌裁判長> *商品等表示性× 事業の系譜が本件事業に一体的に由来するものであって、原告は本件事業との連続性を営業上利用している。 ⇒原告が近畿地方における本件事業を担当することとなった後、現在に至るまで、近畿地方においても、原告及び被告の祖業である本件事業、ないし被告を含む本件事業から生じた事業の総体を示すものとして需要者に認識される。 したがって、専ら原告の商品等表示として機能するものとは認め難い。(「千鳥屋」=原告だけのものではない。) (親族間の取り決めにより、結論は変わらない。) https://lnkd.in/gSGJkZdB https://lnkd.in/gaXy5Chi hanrei-pdf-95269.pdf — courts.go.jp LinkedIn原文:https://www.linkedin.com/feed/update/urn:li:activity:7510139318225526785/
【不競法/営業秘密等】大阪地判令和5年(ワ)12720【建築部材K型フレーム】<松阿彌裁判長>
【不競法/営業秘密等】大阪地判令和5年(ワ)12720【建築部材K型フレーム】<松阿彌裁判長> <1>退職慰労金返還事由なし 被告Aが原告従業員らの被告会社への就業を希望する発言はあったものの、積極的に転職を勧誘・引抜くような発言をした事実は認められない。 本件誓約で禁止される秘密情報は「在籍中に従事した業務において知り得た」情報であるから、取締役退任後に取得した情報はこれに該当しない。+要保護性否定 <2>一般不法行為否定 取引妨害については、原告が正式に受注していた事実は認められず、自由競争の範囲内でのパパマハロの選択の結果にすぎない。 <3>営業秘密性否定 パスワードを付していなかった。 <4>「K型フレーム」「Kフレーム」の商品等表示該当性否定 ありふれた用語から構成されている。 https://lnkd.in/ge3Eau4c https://lnkd.in/gYPZer-5 hanrei-pdf-94155.pdf — courts.go.jp LinkedIn原文:https://www.linkedin.com/feed
【不競法/虚偽告知】知財高判令和6年(ネ)10043【Rバッジ】<増田裁判長>
【不競法/虚偽告知】知財高判令和6年(ネ)10043【Rバッジ】<増田裁判長> ⇒虚偽告知に該当しない。 ①別件訴訟提起の事実そのものを伝える部分及び再審査の要望を伝える部分は、何ら虚偽の事実を告知するものではない。 ②特許権侵害を指摘したとする部分も、侵害の事実を断定的に言及するものではなく、訴訟前の紛争の経緯を伝えるものである。 ③「何らの回答がないまま現在に至っている」との記載は厳密には事実と異なるが、文脈上、正当な対価の支払を認める回答をしなかったことを誇張して表現したものと理解でき、この点のみをもって虚偽の事実の告知とは認められない。 ④裁判という事柄の性質上、最終的に請求が認められるかは定かではなく、通知書を受け取った者もそのことを了解可能である。 +「第1審被告モビリティは、別件訴訟を提起した際、訴状に収入印紙を貼付しておらず…、第1審原告の新規上場が中止となった後に別件訴訟を取り下げているが…、こうした事情によって、上記内容の本件各通知行為自体が虚偽の事実を告知したことになるわけでもない。」 +不法行為も不成立 虚偽告知該当性につ
【不競法/形態模倣】東京地判令和6年(ワ)70219<杉浦裁判長>
【不競法/形態模倣】東京地判令和6年(ワ)70219<杉浦裁判長> 「…少なくとも相違点③は些細な相違とはいえないから、その形態において実質的に同一のものとはいえない。」 相違点③(背面外部ポケット「ルーポケット」)の評価 ●被告商品には背面視において商品の中心部分にかなり大きな領域を占める形で外部ポケットが存在し、取引者・需要者にとって視覚的に容易に認識できるにとどまらず強く印象に残る相違点である。 ●スマートフォン等を収納可能なポケットをバッグに取り付けること自体は容易に着想し得るとしても、その具体的な寸法、配置及び形状等は商品のデザインに大きな影響を及ぼしかねない要素であり、被告商品のようなデザインの着想・採用は必ずしも容易ではない ●被告が「ルーポケット」をブランドの「アイデンティティ」と位置付けており、商品の紹介画像にも正面のみならず背面をも掲載していることから、被告において取引者・需要者に対する訴求ポイントと位置付けられていることがうかがわれる。 ●バッグ背面部は、所持時には所持者の身体側に位置することが通常としても、置いた際
【著作権】令和7年(ネ)10063『マーク・ゴンザレス/エンジェル』<森富裁判長>
【著作権】令和7年(ネ)10063『マーク・ゴンザレス/エンジェル』<森富裁判長> (=原審:東京地判令和5年(ワ)70127<澁谷裁判長>) <準拠法> 日本で保護される著作権については日本法が、米国で保護される著作権については米国法がそれぞれ適用される。 <職務著作(米国法)否定> 米国著作権法上の職務著作(WORK MADE FOR HIRE)にも、日本著作権法上の職務著作にも該当しない。 <著作権譲渡なし> Cujo社の代表者Dには契約締結権限がなく、被告会社もその認識があった。米国カリフォルニア州法に基づく表見代理の成立も認められない。 <返還義務あり> 本件各商標は本件ライセンス契約11条の返還義務の対象に含まれる。 ⇒被告会社は、本件著作権及び本件各商標権を有していないから、本件警告書の送付は虚偽の事実の告知に当たる。 https://lnkd.in/gqeHvsuJ https://lnkd.in/gJNEGFmu hanrei-pdf-95450.pdf — courts.go.jp LinkedIn原文:https