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論点別ガイド:AI・知的財産
AIと知的財産をめぐる既存の記事を案内する。音声に関する権利とAI時代の知財戦略を扱う資料を掲載している。
コーポレートガバナンス・コード(2026年改訂版)
コーポレートガバナンス・コード(2026年改訂版) <知財関係の改訂内容> 1 成長投資としての知的財産の明記(原則4-1) 原則4-1は、取締役会の役割・責務として「成長投資(設備・研究開発・人的資本・知的財産等の無形資産への投資等)や事業ポートフォリオの見直し」を明記した。 知的財産への投資が、設備投資・研究開発投資と並ぶ成長投資の一類型として、原則本文に位置付けられた。 2 知財戦略に関する解釈指針の新設 原則4-1の解釈指針は、「知的財産等の無形資産への投資については、競争力や企業価値向上の源泉であることを踏まえ、その創出・取得・強化・保護・収益化に戦略的に取り組むべきである」と記載する。 知財の創出から収益化までの全段階を対象とする文言であり、権利取得にとどまらず収益化までを取締役会レベルの戦略事項とする趣旨である。 3 従前の知財関連規定の帰趨 2026年改訂版では、プリンシプル化・スリム化により「補充原則」の枠組みが廃止された。これに伴い、2021年改訂で導入された補充原則3-1③(人的資本や知的財産への投資等の開示)及び補充原則4
【論稿/特許】これからの税関と育成者権(外村玲子、パテント誌2024年9月)
【論稿/特許】これからの税関と育成者権(外村玲子、パテント誌2024年9月) 1.令和2年種苗法改正のポイント:輸出制限の導入 ①指定国制度(輸出制限の届出):育成者権者が、種苗を持ち出してもよい国(指定国)をあらかじめ届け出る。指定国以外への持ち出しは、原則として権利侵害となる。 ②表示の義務化:種苗業者に対し、海外への持ち出し制限がある旨を包装等に表示することを義務付け、意図しない侵害を防止する。 2.これからの税関手続きと実効性の向上 ①DNA品種識別技術の活用~外観での判別が難しい植物にとって、DNA鑑定は生命線である。 ②技術の進化~茶、リンゴ、ブドウ、カンキツ等において、迅速かつ正確に判別できる技術。現場で利用可能なSNPマーカーなど、迅速な検査キットの開発が進んでいる。 ③育成者権管理機関の設立 3.並行輸入と逆輸入の課題 日本企業が海外でライセンス生産したものが日本へ逆輸入されるケースが増えることが予想される。 権利消尽の議論:どのような場合に逆輸入が「侵害」となるか、特許におけるBBS判例や商標のフレッドペリー判例
【論稿/人格権等】声紋の法的保護について(大塚理彦、パテント誌2025年5月)
【論稿/人格権等】声紋の法的保護について(大塚理彦、パテント誌2025年5月) 1.人格権と「声紋権」 現行法上、肖像権は憲法13条の幸福追求権を根拠に認められている。 2.パブリシティ権 〔ピンク・レディー事件〕最判は、肖像等の顧客吸引力を排他的に利用する権利を認めた。 3.著作権法と不正競争防止法 AI開発段階における学習(著作権法30条の4)や実演家の権利(録音・録画権等)だけでは、声の「質」や「作風」の模倣を十分に防ぐことは困難である。 韓国の事例を参考に、不正競争防止法での対応を検討している。 4.結論 声紋を「人格的利益」として認め、「声紋権」を定立することは、パブリシティ権による財産的保護への橋渡しとなる。 生成AI時代において、著作権法の限界を補完するために、人格権の拡張と不正競争防止法の柔軟な運用、あるいは法改正による明文化が求められる。 https://lnkd.in/gQuvmEH2 https://lnkd.in/gtnde68D 声紋の法的保護について — jpaa-patent.info LinkedIn原
【名誉権】東京地判令和7年(ワ)70451<中島裁判長>
【名誉権】東京地判令和7年(ワ)70451<中島裁判長> *note株式会社に対する削除請求権が認められた。 No.1:原告が金銭を払ってコネ枠でABEMA Primeに出演したかのような記述 ⇒正当な評価や実績によらず、金銭を払ってコネ枠でABEMA Primeに出演したという事実を黙示に摘示したものと認める。原告がABEMA Primeに出演できるような実績や実力がないのに、不公正な手段を用いて番組に出演したかのような印象を与えるものといえ、原告の資質に関する社会的評価を低下させる。(名誉権侵害成立) No.2:原告がCの店員に弱みを握られて脅迫された結果として金銭を支払わされたのではないかとの記述 ⇒投稿の内容が不自然であることを指摘する趣旨で仮説を述べるものにすぎず、具体的事実に基づかない意見、感想を述べたにすぎない。(名誉権侵害不成立) No.3:原告がソープランドFで風俗嬢に怪我をさせ、嫌がらせ行為を行ったという「D」と原告との同一性に関する記述 ⇒本件記事を閲覧した多くの者が、原告とDなる人物が同一人物であることが黙示に摘示さ
法情報提供(2026年2月掲載分)
対象:2026年2月に弁護士・高石秀樹(中村合同特許法律事務所)が公開した記事 収録件数:34件 一覧ページ:https://www.nakapat.gr.jp/ja/legal_updates_jp/ <今月の見どころ>2026年2月 知財・法務アップデートの重要ポイント 今月のリーガルアップデートでは、クレーム解釈、進歩性、発明者性・職務発明、医薬品・標準必須特許、鑑定証拠・法定手続・著作権の例外規定まで、知財実務の広い領域にわたる34件の裁判例・解説を取り上げる。特に注目すべき判断と実務上のポイントは、以下のとおりである。 1.クレーム文言と明細書から定まる権利範囲 東京地判令和5年(ワ)70380【棒状ライト】<髙橋裁判長>は、推薦色の記憶と発光に異なる入力を使う製品等を非充足とし、同じ入力方法による課題解決の記載・示唆もないとしてサポート要件違反を認めた。令和6年(ネ)10074【電子タバコ用充填物】<増田裁判長>は、「切込み」を刃物で人為的・能動的に形成された切り目と解し、捲縮加工による筋状部分を非充足とした。他方、東京地判令和5年(
法情報提供(2026年1月掲載分)
法情報提供(2026年1月掲載分) 対象:2026年1月に弁護士・高石秀樹(中村合同特許法律事務所)が公開した記事 収録件数:34件 一覧ページ:https://www.nakapat.gr.jp/ja/legal_updates_jp/ <今月の見どころ>2026年1月 知財・法務アップデートの重要ポイント 今月のリーガルアップデートでは、分割出願の連鎖、控訴審での新たな無効理由、明細書の科学的誤り、クレーム解釈、国際裁判管轄、標準必須特許及び職務発明まで、知財実務の広い領域にわたる34件の裁判例・解説を取り上げる。重要な判断と実務上のポイントは、以下のとおりである。 1.分割出願の連鎖を揺るがす【車両誘導システム】事件<本多裁判長> 知財高判令和6年(行ケ)10086【車両誘導システム】事件は、第4世代当初明細書等で必要不可欠であった、ETCを利用できない車両を分岐レーンで戻し、その対象を通信可否により判定する構成に注目した。これを限定せず任意の基準・方法による誘導まで含めた第5世代分割出願は、新たな技術的事項を導入したものと判断された。その