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東京地判令和6年(ワ)4142【携帯情報通信装置】<國分>
英語版を読む / English version この記事の案内 記事の種類:判決紹介 分類:特許 主な論点:訴訟手続 / 損害賠償 HP初回掲載日:2026年10月1日 事件番号(原文表記):令和6年(ワ)4142 表示・分類確認日:2026年10月1日(法的分析の再確認日ではない) 東京地判令和6年(ワ)4142【携帯情報通信装置】<國分> =東京地判令和6年(ワ)70083 *前訴で消費税相当額を請求しなかった分を別訴で請求したが、信義則違反で却下された。 原告は、①消費税相当額は前訴の審理対象とされておらず、蒸し返しには当たらない、②消費税損失は実施料損失とは発生原因が異なり、③消費税率は判決確定時の税率で決まるため前訴時に請求するのは困難だった、などと主張した。 ⇒特許侵害訴訟において消費税相当額が損害・損失の一部として請求・認容される例は少なくなく、そのことは当裁判所に顕著である。したがって、原告がこうした実務状況を認識し得なかったとはいえない。また、消費税相当額は実施料相当額に当時の消費税率(本件では弁論終結時点で既に10%)を
【論稿/不競法】知財事件における証拠保全の実際と理論等(高村隆司、パテント誌2025年6月)
英語版を読む / English version この記事の案内 記事の種類:論文・論稿紹介 分類:日本その他 主な論点:訴訟手続 / 侵害立証 HP初回掲載日:2026年10月1日 表示・分類確認日:2026年10月1日(法的分析の再確認日ではない) 【論稿/不競法】知財事件における証拠保全の実際と理論等(高村隆司、パテント誌2025年6月) 1. 管轄の選択 知財専門部を持つ地裁は認容率が40%程度(東京地裁知財部統計)と低い傾向にあるが、筆者は簡易裁判所への申立てにより認容率100%を達成しており、簡裁の活用を推奨している。 2. 証拠保全の理論と法的性質 証拠保全の本質は「証拠調べの前倒し」である。証拠の隠匿、廃棄、改ざんの恐れ(証拠保全の事由)を疎明する必要があるが、実務上、知財事件では「抽象的な疎明」でも認められる傾向にある。 3.相手方としての防衛策 証拠保全は物理的な強制力を持たないため、提示を拒否することも選択肢となる。 その場合、本案訴訟で「真実擬制(民事訴訟法224条)」のリスクが生じるが、後の証拠調べで提示すれ
令和6年(行ケ)10036【切屑検出装置】<本多>
英語版を読む / English version この記事の案内 記事の種類:判決紹介 分類:特許 主な論点:訴訟手続 / 審査・審判実務 HP初回掲載日:2026年10月1日 事件番号(原文表記):令和6年(行ケ)10036 表示・分類確認日:2026年10月1日(法的分析の再確認日ではない) 令和6年(行ケ)10036【切屑検出装置】<本多> *特許審決の取消しを求めた。⇒却下 原告は、特許出願の拒絶査定不服審判において、「補正却下決定を取り消し、当該補正(本件補正1)に基づいて原査定を取り消し、特許すべきものとする」旨の審決を求めた。 審理中、原告は新たな補正(本件補正2)を行い、最終的に特許庁は「原査定を取り消す。本願の発明は特許すべきものとする」との審決を行った。この審決は、原告が最後に提出した本件補正2に基づく発明(本件補正発明2)を特許とするものであった。 ⇒原告は、本来特許されるべきだったのは本件補正1に基づく発明(本件補正発明1)であるとして、本件審決の取消し等を求めて提訴した。 本判決は、原告にとって有利な処分であり、
【論稿/知財全般】裁判所調査官としての弁理士(髙村和宗、岩永勇二、パテント誌2025年11月)
英語版を読む / English version この記事の案内 記事の種類:論文・論稿紹介 分類:特許 / 日本その他 主な論点:訴訟手続 / 侵害立証 HP初回掲載日:2026年10月1日 表示・分類確認日:2026年10月1日(法的分析の再確認日ではない) 【論稿/知財全般】裁判所調査官としての弁理士(髙村和宗、岩永勇二、パテント誌2025年11月) 1. 裁判所調査官の法的位置づけ 裁判所法57条および民事訴訟法92条の8に基づき、事実上・法律上の事項について当事者に問いを発し、証拠調べにおいて直接質問を行う権限を持つ。 多くは特許庁の審判官経験者だが、弁理士枠として知財高裁に1名(機械分野)、東京地裁に1名(化学分野)が配置されている。任期は3年。 2. 裁判所調査官の具体的な業務内容 ①事前調査::原告の主張に基づき、技術用語や審決の論理を整理した資料を裁判官に提出する。 ②期日立ち会い ③調査報告書の作成: 3. 調査官の視点から見た、訴訟を有利に進めるための留意点 ①審決取消訴訟(知財高裁) 主張・立証の機会は限られ
【論稿/特許】同一特許、同一引用文献で、同日同ヶ部の知財高裁判決(審決取消訴訟と侵害訴訟)における新規性判断が分かれ、また、訂正の再抗弁が時機後れ却下された事例(高石秀樹、パテント誌2024年3月)
【論稿/特許】同一特許、同一引用文献で、同日同ヶ部の知財高裁判決(審決取消訴訟と侵害訴訟)における新規性判断が分かれ、また、訂正の再抗弁が時機後れ却下された事例(高石秀樹、パテント誌2024年3月) 無効不成立審決は、本件発明の「情報提供装置」は単独の装置であるのに対し、主引用発明の「学習・生活支援システム1」は「学習・生活支援サーバ2」と「ユーザ端末3」という複数の装置を含むことを相違点と認定して新規性を認め、進歩性も認めた。 侵害訴訟における無効の抗弁においては、(一審段階から)無効不成立審決が認定した相違点が一致点となるように、主引用発明の「学習・生活支援サーバ2」と「ユーザ端末3」とを含む「学習・生活支援システム1」ではなく、「学習・生活支援サーバ2」のみが本件発明の「情報提供装置」に相当すると主張した。 これにより、主引用発明も単独の装置である「情報提供装置」を有するという対比となった結果、無効不成立審決が認定した相違点が解消され、新規性が否定された。 https://lnkd.in/gqnhuRj9 https://lnkd.i
東京地判令和6年(ワ)70129【箱型船】<杉浦裁判長>
東京地判令和6年(ワ)70129【箱型船】<杉浦裁判長> *被告は、対象製品への関与を否認している。 ⇒「具体的態様の明示義務」なし ⇒立証不足で、非充足。 対象製品において、「pHセンサ」及び「原液供給装置」の存在及び位置は不明である。 特許法104条の2(具体的態様の明示義務)については、『被告は、箱型船である被告各製品の製造販売を否認すると共に、被告各製品に対する被告の関与も不明であるとして否認ないし争っているところ、被告による被告各製品の製造販売や関与を裏付ける証拠は甲8陳述書しかなく、これを認めるに足りる客観的な証拠はない。このような状況においては、上記明示義務により被告が具体的態様を明らかにすべきとされる「自己の行為」自体が特定されているとはいえない』と判断した。 https://lnkd.in/gEcrMamC https://lnkd.in/gXAZSMvu hanrei-pdf-95627.pdf — courts.go.jp LinkedIn原文:https://www.linkedin.com/feed/update/u
【論稿/特許】訴訟中の被侵害請求項の追加ー訴訟物・時機に後れた攻撃防御方法ー(森本晃生、パテント誌2024年11月)
【論稿/特許】訴訟中の被侵害請求項の追加ー訴訟物・時機に後れた攻撃防御方法ー(森本晃生、パテント誌2024年11月) 知財高裁は、請求項の追加主張を「訴えの変更(民事訴訟法143条)」と捉えた原審(大阪地判)の判断を覆し、「攻撃防御方法の提出(同法157条)」に該当すると判断した。 その理由は、特許法が一つの特許出願に対して一つの特許権を付与する基本構造を前提としている点にある。 ある特許権の侵害を理由とする請求において、いずれの請求項を選択するかは、特定の訴訟物(請求権)を支えるための攻撃方法の選択の問題である。 ⇒同一特許の別の請求項を追加しても、訴訟物や請求原因の変更には当たらない。 ただし、本件の追加主張については、「時機に後れた攻撃防御方法」として却下した。 (理由1)提出時期の遅延:被告から均等論に関する具体的な反論が早期に出されており、対抗手段としての請求項追加を検討することは十分に可能であった。それにもかかわらず、裁判所からの心証開示(非充足)を受けた後、かつ自ら補充的書面提出のみを予定すると述べた後に突然追加された。
法情報提供(2026年1月掲載分)
法情報提供(2026年1月掲載分) 対象:2026年1月に弁護士・高石秀樹(中村合同特許法律事務所)が公開した記事 収録件数:34件 一覧ページ:https://www.nakapat.gr.jp/ja/legal_updates_jp/ <今月の見どころ>2026年1月 知財・法務アップデートの重要ポイント 今月のリーガルアップデートでは、分割出願の連鎖、控訴審での新たな無効理由、明細書の科学的誤り、クレーム解釈、国際裁判管轄、標準必須特許及び職務発明まで、知財実務の広い領域にわたる34件の裁判例・解説を取り上げる。重要な判断と実務上のポイントは、以下のとおりである。 1.分割出願の連鎖を揺るがす【車両誘導システム】事件<本多裁判長> 知財高判令和6年(行ケ)10086【車両誘導システム】事件は、第4世代当初明細書等で必要不可欠であった、ETCを利用できない車両を分岐レーンで戻し、その対象を通信可否により判定する構成に注目した。これを限定せず任意の基準・方法による誘導まで含めた第5世代分割出願は、新たな技術的事項を導入したものと判断された。その