【論稿】特許審決取消訴訟における審理範囲:周知技術の新主張の許否(張鵬、2012)
最判昭和55.1.24『食品包装容器』事件は、裁判官は当業者と同等の知識を有しないから、審決の前提となる技術常識を認定するための新たな公知技術の主張・立証は許されるとした。 ⇒(下級審)裁判所の裁量により判断できる。(脚注31参照) https://lex.juris.hokudai.ac.jp/gcoe/journal/IP_vol38/38_4.pdf
知財高判令和5年(行ケ)10011【携帯端末の遠隔操作用デバイス】<宮坂>
請求項「…映像(カメラにより撮影された映像を除く)を表示する表示部…」 「引用発明は…カメラで映像を撮影することが必須の構成で…ない」 ⇒進歩性×(除くクレームにより引用発明の必須構成を除く戦術不発) https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/579/092579_hanrei.pdf
知財高裁大合議判決令和5年(ネ)10040【豊胸用組成物】
(原判決と異なり、)被控訴人が成分①②③を同時に含む薬剤を調合して投与したと認定した。 ⇒充足(特許権者逆転勝訴) ※成分①②と③とを別々に投与しても充足かという注目されていた論点が消滅した…。 本件特許発明に係る「豊胸用組成物」は、豊胸のために使用するものであり、その目的は主として審美にあるとされている。 ⇒現在の社会通念に照らして、「人の病気の診断、治療、処置又は 予防のため使用する物」ではない。 ⇒特許法69条3項の「二以上の医薬(人の病気の診断、 治療、処置又は予防のため使用する物)を混合することにより製造されるべき医薬の発明」に当たらない。 h


【商標/立体商標・3条2項】知財高判令和6年(行ケ)10047<宮坂>
*シンゴジラのフィギュアの立体商標について、3条2項適用〇 (判旨抜粋) シン・ゴジラの立体的形状は、それ以前のゴジラ・キャラクターと比較して、頭部が小さくなり、前脚(腕)の細さが一層際立つ一方、尻尾はより太く長くなっているなど、全体のプロポーションに違いが生じているほか、背中から尻尾にかけての部分を中心に赤みがった色彩が加わっている等の違いがあり、被告が主張するとおり、両者を同一(実質的に同一)と認めることは相当でない。しかし、商標法3条2項の「使用」の直接の対象はシン・ゴジラの立体的形状に限られるとしても、その結果「需要者が何人かの業務に係る商品で
大阪地判平成10年(ワ)12899【電動式パイプ曲げ装置】
*被告は「電動式直管ベンダー」「ベンダーシュー」「ベンダー用ガイド」を同時に販売した。3つを組み立てると特許権侵害 ⇒直接侵害とした!! *第五要件(禁反言)を否定して、均等論を認めた。 進歩性に影響ない主張 (判旨抜粋) 原告…が本件発明の特許出願経過中に意見書等でパイプホルダ(…)に関して述べた部分は、拒絶理由通知ないし拒絶査定で引用された公知技術と対比して、本件発明はパイプを支持する部分がパイプの曲げ開始点にはなく、曲げ開始点の両側に分散されており、曲がりの外側から好ましくない横圧を受けることがないということを主張したほかは、本件全文補正前のパイプ
東京地決令和6年(ヨ)30028【加齢黄斑変性症事件】<國分>(民事29部)
(東京地決令和6年(ヨ)30029<中島>(民事40部)と同時期に出された同時期に出された。) ⇒特許侵害の有無につき判断せず、事案に鑑み「正当な行為としての違法性阻却」から検討することとし、形式的には虚偽事実の流布・告知にあたる場合であっても、パテントリンケージ制度に基づく医薬品特許情報提供の趣旨に照らして想到性を有するものと認められるときには、パテントリンケージ制度が予定する正当な行為として違法性を欠くという判断枠組みを採用し、本件では相当性が認められると判断した。 (出典:NBL1285号33頁「パテントリンケージ制度における特許権者の意見申述の差
【商標】知財高判令和5年(ネ)10091『現代の理論』<宮坂>
*権利濫用なし~結局は、被告NPO法人が商標登録しなかったことが敗因。 原告は、「現代の理論編集委員会」の一員として、平成26年以降、電子版「現代の理論」を発行。 被告は、平成28年6月以降、雑誌「現代の理論」を発行。 原告は、平成28年2月に被告が雑誌「現代の理論」再刊を周知するや否や、第9類「電子印刷物」及び第16類「印刷物」を指定商品として本件商標権1を取得した。 令和3年3月 24日に本件商標1の指定商品のうち、第16類「印刷物」に係る商標登録について不使用を理由に取り消す審決が確定したが、第1審原告は、それから間もない令和3年9月6日には、16
【契約】東京地判令和5年(ワ)70422<杉浦>
*契約書無いが、著作権譲渡が認定された。 「原告社団と原告Aとの関係性に鑑みれば…資料の不存在は…不合理とはいえない。…支払われた対価が著作権譲渡の対価としては相当に低廉で…も…著作権譲渡がなかった…とは必ずしもいえない」 https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/296/093296_hanrei.pdf


東京地決令和6年(ヨ)30029【加齢黄斑変性症事件】<中島>(民事40部)
★不正競争防止法違反に基づく差止仮処分申立事件(医薬用途発明の実施を専ら基準により非充足とし、一定割合でよいという特許権者の主張によれば新規性を欠くとして、特許権侵害を否定した事例) ※ただし、「専ら」という語は100%を意味するわけではない。 1.裁判所の判断①(用途発明の侵害論) 本判決は、以下のとおり判示して、医薬用途発明の実施を専ら基準(特許法2条3項にいう「実施」とは、専ら請求項で特定された医薬用途に用いるために(本件発明では本件特定患者群に投与するために)生産、使用、譲渡等をする場合に用途充足となる)により非充足とし、一定割合でよいという特
知財高判令和4年(行ケ)10118【プログラム】<本多>
請求項「…制御対象機器は、スピーカを有するがテレビではな…い制御装置」 引用発明において、制御対象がテレビであることに特段の技術的意義は認められない。 ⇒進歩性×(除くクレームにより引用発明の本質的部分を除く戦術不発) (判旨抜粋) 無線通信を利用して電子機器の制御を行うとの技術において、制御主体が具体的に何であるか…及び制御対象機器が具体的に何であるか(例えば、テレビであるか…など)が特段の技術的意義を有するものとは認められず、…各技術に相当する技術がそれぞれの刊行物に記載された具体的な機器以外の機器の場合…を排除しているなどと認めることもできないこ



