【商標】知財高判令和5年(ネ)10091『現代の理論』<宮坂>
*権利濫用なし~結局は、被告NPO法人が商標登録しなかったことが敗因。 原告は、「現代の理論編集委員会」の一員として、平成26年以降、電子版「現代の理論」を発行。 被告は、平成28年6月以降、雑誌「現代の理論」を発行。 原告は、平成28年2月に被告が雑誌「現代の理論」再刊を周知するや否や、第9類「電子印刷物」及び第16類「印刷物」を指定商品として本件商標権1を取得した。 令和3年3月 24日に本件商標1の指定商品のうち、第16類「印刷物」に係る商標登録について不使用を理由に取り消す審決が確定したが、第1審原告は、それから間もない令和3年9月6日には、16
【契約】東京地判令和5年(ワ)70422<杉浦>
*契約書無いが、著作権譲渡が認定された。 「原告社団と原告Aとの関係性に鑑みれば…資料の不存在は…不合理とはいえない。…支払われた対価が著作権譲渡の対価としては相当に低廉で…も…著作権譲渡がなかった…とは必ずしもいえない」 https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-93296.pdf


東京地決令和6年(ヨ)30029【加齢黄斑変性症事件】<中島>(民事40部)
★不正競争防止法違反に基づく差止仮処分申立事件(医薬用途発明の実施を専ら基準により非充足とし、一定割合でよいという特許権者の主張によれば新規性を欠くとして、特許権侵害を否定した事例) ※ただし、「専ら」という語は100%を意味するわけではない。 1.裁判所の判断①(用途発明の侵害論) 本判決は、以下のとおり判示して、医薬用途発明の実施を専ら基準(特許法2条3項にいう「実施」とは、専ら請求項で特定された医薬用途に用いるために(本件発明では本件特定患者群に投与するために)生産、使用、譲渡等をする場合に用途充足となる)により非充足とし、一定割合でよいという特
知財高判令和4年(行ケ)10118【プログラム】<本多>
請求項「…制御対象機器は、スピーカを有するがテレビではな…い制御装置」 引用発明において、制御対象がテレビであることに特段の技術的意義は認められない。 ⇒進歩性×(除くクレームにより引用発明の本質的部分を除く戦術不発) (判旨抜粋) 無線通信を利用して電子機器の制御を行うとの技術において、制御主体が具体的に何であるか…及び制御対象機器が具体的に何であるか(例えば、テレビであるか…など)が特段の技術的意義を有するものとは認められず、…各技術に相当する技術がそれぞれの刊行物に記載された具体的な機器以外の機器の場合…を排除しているなどと認めることもできないこ
*差止め期間の終期を定めた判決2件 ⇒何れも、特許権満了日まで(一部請求ではない)
⇒何れも、特許権満了日まで(一部請求ではない) ※訴額を減らして、印紙代を節約できる!? 平成26年(ネ)10082【4H型単結晶炭化珪素の製造方法】<高部> 「主文…被控訴人は,控訴人に対し,平成27年12月8日までの間,別紙物件目録記載のウエハの輸入,販売又は販売のための展示をしてはならない。」 東京地判平成25年(ワ)【マキサカルシトール】4040<嶋末> 「主文…被告DKSHは,平成29年9月3日まで,別紙物件目録1記載のマキサカルシトール原薬を輸入し,又は譲渡してはならない。」 https://note.com/gaha9ben54/n/n87
知財高判令和5年(行ケ)10039【レーザ加工装置】<宮坂>
「甲1には、改質領域の加工領域の主面からの位置や大きさを確認する必要があることについて記載されていない。…撮像素子として赤外線用のものを用いることにより、赤外線(レーザ光)の反射光を利用してフォーカス調整を行い、加工対象物の表面を撮像することを示唆するにすぎない…。上記のような必要性があることが周知又は技術常識であるとも認められない。」 ⇒進歩性○ ※審決が、動機付けを否定する理由として、相違点1に係る本件発明1の構成F及びGの技術的意義として本件明細書に記載が無いことを認定した点は相当でないと判示されたが、結論は変わらなかった。 ~審決の粗を突くだけで
【商標】知財高判令和5年(行ケ)10050<清水響> 本件商標「美容医局」(指定役務:職業のあっせん等)
本件商標「美容医局」(指定役務:職業のあっせん等) 需要者は「美容外科又は美容皮膚科の医師」 美容外科又は美容皮膚科に転職する可能性のない医師は、需要者でない ⇒周知性○ ⇒商標法4条1項10号違反 「商標法4条1項7号は、商標登録を受けることができない商標の類型の一つとして、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」を掲げているが、これは、当該商標の構成自体が公序良俗に反する場合のほか、商標登録の出願の経緯に鑑み、当該商標の登録を認めることが著しく社会的妥当性を欠くような場合も含まれる」 ⇒「本訴においても、引用商標を知らなかった旨の事実とは異


【意匠】知財高判令和5年(行ケ)10113<宮坂> 意匠法5条2項違反(エルメス事件)
意匠法5条2項違反(他人の業務に係る物品と混同を生ずるおそれがある意匠) ①意匠の中央上部に付けられている南京錠は、欧文字『H』をデザイン化したエルメスのH商標5864813の特徴を備えている。 ②H商標はエルメスの出所表示標章として著名である。 ③エルメスはH商標を留め具(カデナ)に使用している。 https://ipagent.jp/magazine/hatsumei2024.05.pdf https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-92792.pdf
知財高判令和6年(ネ)10026【熱可塑性樹脂組成物】<宮坂> ※数値の四捨五入・均等論
被控訴人製品(分子量699.91848)が、分子量「700以上」という数値限定を充足するかが問題となった。 ⇒結局、出願人が『あえて』「700以上」と整数で区切っている以上、四捨五入論は使えないし、技術的範囲から除外することを客観的、外形的に承認したものとして均等論第5要件×。 この判示からすれば、「700.0以上」とクレームしてあれば四捨五入論により699.95以上は充足となったのか? 整数でなく、有効数字3桁であることを明示するために、「7.00×10^2以上」と書けばよいのか? 確かに、特許は科学と全く同じではなく、請求項の記載の文言解釈であ


知財高判令和5年(行ケ)10085【画像形成装置】<宮坂>
*特許出願に係る分割手続の瑕疵が看過されたとしても、これを治癒するために、明瞭でない記載の釈明として「訂正」することは出来ない。 補正・分割の瑕疵が看過されて登録されると、取り返しがつかなくなる!! 補正要件違反が看過された登録されたため、分割ツリーが途切れてしまった事例もある。(大阪高判平成14年(ネ)2776<若林>、東京高判平成15年(行ケ)65<篠原>) チャレンジの補正・分割は、セーフ兄弟分割出願とセットで!! (判旨抜粋) 『原告らは、本件特許出願には分割出願手続上の瑕疵があることから、これを治癒するための訂正は同項3号の明瞭でない記載の釈明