

【論稿/特許】食品産業における知財・無形資産(藤原研二郎、パテント誌2025年9月)
1.食品産業は、その役割(川上・中流・川下)に応じて知財戦略が大きく異なる。 2.食品分野特有の論点 食品産業には、他の技術分野とは異なる「歴史」と「感覚」に起因する難しさがある。


【論稿/米国意匠】米国意匠法による仮想空間における商品等の保護(山口洋一郎、パテント誌2025年8月)
1. 米国意匠制度の特異性~物品の用途は無視される 米国の意匠法は特許法の一部(35 U.S.C. §171)であり、特許の原則が適用される。最大の特徴は、「クレームの前文に記載された物品の用途が原則として限定にならない」という点にある。 新規性の判断: 本願物品と全く異なる技術分野の公知意匠であっても、形状が実質的に同一であれば新規性欠如の根拠となる(例:圧縮ガス用カプセルの新規性が「ビン」の意匠によって否定された事例がある)。
【論稿/意匠】仮想空間における意匠保護に関する 我が国意匠法の今後の対応についての 一考察(星野光秀、パテント誌2025年10月)
1. 画像意匠の保護範囲の拡張(GUIの保護) 欧州と米国の動向は対照的である。 欧州(EU): 2024年10月成立の改正CDR(欧州連合意匠理事会規則)により、バーチャルオブジェクトを特段の限定なく保護可能であることが明確化された。保護範囲は極めて広範である。


【論稿/商標】仮想空間に関する商品・役務の商標法上 の取扱い―ニース国際分類、欧州、 米国、韓国及び我が国の状況(星野光秀、パテント誌2025年6月)
1. 仮想空間における商品・役務の分類と特定 各国・地域の審査実務において、以下の点が共通の認識となっている。 単に「仮想商品」とするだけでは範囲が不明確であり、「ダウンロード可能な仮想被服」のように、関連するコンテンツを具体的に特定する必要がある。
【論稿/商標】モデル事例を用いた「コンセント制度」利活用のための検討(中山真理子、竹山尚治、パテント誌2025年10月)
1. 日本のコンセント制度の核心:留保型 海外の多くの国とは異なり、日本のコンセント制度は「留保型」である。 ⇒単に引用商標権者の「同意」があれば登録されるわけではなく、特許庁が最終的に「出所の混同を生ずるおそれがない」と判断した場合にのみ、商標法第4条第4項に基づき登録が認められる。
知財高判令和5年(行ケ)10149【独立バッフルを有する多分岐熱交換器】<宮坂裁判長>
引用文献2の記載から、「バッフルセル」自体が流体の流れを邪魔し方向を変更する構成であり、本件補正発明の「バッフル」に相当する。 また、「バッフルセル」は固体部分(ソリッドドメイン)を含み、流路をブロックする機能を有することから「固体壁」といえる。
知財高判令和6年(ネ)10038【自動二輪車のブレーキ制御装置】<本多裁判長>
本件明細書の記載が「角速度」で一貫している以上、「角加速度」への誤記の訂正(読み替え)は認められない。 ⇒特許請求の範囲に記載された発明(物理的に矛盾する計算式を含む)は、発明の詳細な説明に記載されたものとはいえず、サポート要件違反


【商標/類否】知財高判令和7年(行ケ)10111『SORA』<森冨裁判長>
⇒類似(図形と文字を分離観察OK) (1)商標の類否 両商標はともに図形部分と文字部分が間隔を空けて配置されており、分離観察が不自然なほど不可分的に結合しているとはいえない。また、図形部分からは特定の称呼や観念が生じないため、出所識別標識として強く支配的な印象を与える文字部分「SORA」を要部として抽出することが許される。両者を比較すると、外観は近似し、称呼(ソラ)は同一であるため、両商標は類似する。
【論稿/税関】税関の専門委員(磯貝克臣、パテント誌2025年11月)
税関の専門委員は、事案ごとに3名の専門委員(例:大学教授、弁護士、弁理士の混合)が選出される。 税関は、明らかな事実誤認がない限り、専門委員の多数意見を尊重して判断を下す。 2025年時点のリストでは、大学教授4名、弁護士20名、弁理士20名が登録されている。


【論稿/知財全般】裁判所調査官としての弁理士(髙村和宗、岩永勇二、パテント誌2025年11月)
1. 裁判所調査官の法的位置づけ 裁判所法57条および民事訴訟法92条の8に基づき、事実上・法律上の事項について当事者に問いを発し、証拠調べにおいて直接質問を行う権限を持つ。 多くは特許庁の審判官経験者だが、弁理士枠として知財高裁に1名(機械分野)、東京地裁に1名(化学分野)が配置されている。任期は3年。