【著作権】大阪地判令和6年(ワ)5501<松阿彌裁判長>
*使用者責任(民法715条1項)を認めた!! 支配人は被告が定めた各種マニュアルに従って支配人業務を行うこと、不明・不確かな事項が発生した時は必ず被告に連絡・相談すること、SNS等を利用したサイトへの投稿行為については被告の事前の書面による承諾が必要とされていた。 ⇒支配人の裁量の範囲は非常に狭く、被告の事実上の指揮監督の下で支配人業務に当たっていた。被告は「ある事業のために他人を使用する者」に当たる。
【論稿/欧州特許】寄与侵害の落とし穴(Vincenzo Jandoli、AIPPI Vol.71 No,3)
欧州域外(例:中国)の企業が自国で販売した部品が、後に欧州(例:イタリア)で特許を侵害する完成品に組み込まれた場合に、「寄与侵害」となる可能性がある。 例えば、イタリア法では刑法の共犯概念を基礎とし、他人の特許権侵害に寄与した者に対し、違法性の認識を要件として連帯責任を定める。裁判管轄については、損害発生地であるイタリアの裁判所が管轄権を有し得る。部品の引渡しが域外で行われても、最終仕向地が欧州だと認識していれば、伊中協定やEU判例等に基づき現地で提訴される可能性がある。


【意匠】知財高判令和6年(ネ)10086【収納容器】<清水響裁判長>
*非類似(意匠権者逆転敗訴) <要部認定> 原告意匠の構成態様は、個々にみればいずれも公知意匠に存在するが、これらを全て備えた公知意匠は見当たらないことから、組合せによる統一的美観に新規な創作性が認められる。 <差異点(上辺の形状が曲線か水平直線か)の評価> 需要者は収納容器をインテリアの一部としても使用し、斜め上方からの外観を重視する。 斜め上方から見た場合、上辺の曲線形状はむしろ認識しやすい。
【不競法/虚偽告知】知財高判令和6年(ネ)10043【Rバッジ】<増田裁判長>
⇒虚偽告知に該当しない。 ①別件訴訟提起の事実そのものを伝える部分及び再審査の要望を伝える部分は、何ら虚偽の事実を告知するものではない。 ②特許権侵害を指摘したとする部分も、侵害の事実を断定的に言及するものではなく、訴訟前の紛争の経緯を伝えるものである。 ③「何らの回答がないまま現在に至っている」との記載は厳密には事実と異なるが、文脈上、正当な対価の支払を認める回答をしなかったことを誇張して表現したものと理解でき、この点のみをもって虚偽の事実の告知とは認められない。
東京地判令和6年(ワ)70509【発信者情報開示命令の申立てについての決定に対する異議の訴え】<髙橋裁判長>
=東京地判令和6年(ワ)70570<髙橋裁判長> =東京地判令和6年(ワ)70523<髙橋裁判長> ⇒発信者情報の開示を認めた。 【論点1】BITTORRENTを利用した通信の「特定電気通信」該当性 BITTORRENTの仕組み上、ピアのユーザは不特定の者の要求に応じてファイル又はその断片(ピース)を自動的に送信する状態にあるため、調査会社との個別通信であっても、不特定の者によって受信されることを目的とする「特定電気通信」に該当する。


【商標】知財高判令和6年(行ケ)10107【キリンフーズ】<中平裁判長>
商標法4条1項11号に該当する。⇒無効 <1>図形部分と文字部分の分離観察 本件商標の図形部分と文字部分は、相互に重なり合う部分もなく上下に明確に分かれており、文字部分の横幅は図形部分とほぼ同じで「キリンフーズ」の文字が明瞭に認識できるから、分離して観察することが取引上不自然であるほど不可分的に結合しているとは認められない。
【著作権】東京地判令和5年(ワ)70626<髙橋裁判長>
①共同通信社(原告)が作成し新聞社に配信した記事文章が「事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道」(著作権法10条2項)に当たらず著作物性を有する。 原告の配信記事には逆三角形構成や表現の工夫(取捨選択、要約等)が見られ作成者の個性が表れている。 ②記事を無断でイントラネットにアップロードした企業(首都圏新都市鉄道株式会社)の過失 ⇒あり ③消滅時効~未完成 原告が別件訴訟の記録を閲覧して初めて本件侵害を現実に認識した。
【商標】知財高判令和7年(行ケ)10004【ダイレクトマーケティングエージェンシー】<本多裁判長>
*3条1項3号及び4条1項16号に該当する。⇒拒絶 ・「ダイレクトマーケティング」は「各種メディアを通じて消費者に直接商品情報を提供する販売促進方法」を意味する成語として辞書に掲載されている。 「エージェンシー」は「代理店」を意味し、「○○エージェンシー」の形で特定業務の代理店を示す用法が広く存在する。 ・取引の実情として、「ダイレクトマーケティングエージェンシー」と称してダイレクトマーケティング業務を行う事業者が多数存在する(14件)。
知財高判令和7年(行ケ)10037【断面画像検出装置】<長谷川裁判長>
*進歩性× <進歩性(①発明の要旨認定)> 『原告の主張する本件発明1の構成における「歯科人工物の画像オブジェクトの軸を含む画像」及び「歯科人工物の画像オブジェクトの軸」は、いずれも特許請求の範囲に記載されたものではないから、そのような事項に基づいて本件発明1の特定事項を認定し、甲1発明と構成の対比を行うことは許されない。
【商標】大阪高判令和6年(ネ)1885【MAJESTY】<森崎裁判長>
<他社製造被告製品をそのまま販売する行為> 一審被告マル周がエリム貿易から被告標章付き下げ札が付いた状態で購入したものであり、その販売自体は商標権侵害とならない。 <他社製造被告製品に被告標章付き包装箱を付けて販売する行為> エリム貿易が一審被告マル周に対し再使用許諾権を付与されていないことから、商標権侵害となる。