東京地判令和6年(ワ)70225【未確定の将来クレジット債権の買い取りによるクレジットカード加盟店への無担保のファンディングシステム】<髙橋裁判長>
●「クレジットカード会社」(構成要件A)の意義 本件明細書ではクレジットカード会社とクレジットカード決済代行会社を明確に区別して記載している。 ⇒クレジットカード決済代行会社やそのサービス部門は含まれない。 ●「通信ネットワークで接続」とは、ファンディング事業者のサーバの償還管理部がクレジットカード会社のサーバに通知できるように通信回線で接続されていることを意味する。 ⇒非充足
【商標】不服2024‐10532
本件商標『HIKKY』(標準文字) 引用商標『HIKKI』等 ⇒非類似 称呼はヒッキーで同じ。 観念において比較できず、外観において相紛れるおそれがない。 「称呼による識別性が、外観及び観念による識別性を上回るとはいえない」
【職務発明対価請求】東京地判令和5年(ワ)70685<杉浦裁判長>
平成16年法35条4項が定める、3つの視点。 ①協議の状況 被告(三菱電機)規程の策定に際し、従業員側と行われた協議状況は不合理ではない。 ②基準の開示 規程や基準は適切に開示されており、明確である。 ③意見聴取の状況 意見の相違は解消されなかったものの、実質的な意見聴取の手続は尽くされており、会社の対応に不備はない。 ⇒会社規程による支払いは正当である。
【商標】知財高判令和7年(行ケ)10066『AFURI/阿夫利』<長谷川裁判長>
原告(AFURI)は、被告(吉川醸造)が販売する日本酒「雨降(あふり)」に対し、商標権侵害訴訟を起こしていた。 被告(吉川醸造)は、原告の「AFURI / 阿夫利」商標(酒類分野)について、引用商標『阿夫利大山』と類似するとして無効審判を請求した。 ⇒特許庁は被告の主張を認め、酒類分野について原告の「AFURI / 阿夫利」商標を無効と判断した。 ⇒本判決は、特許庁の判断を支持した。(原告は、ラーメン業界で知名度があったとしても、酒類においては知名度がなかった。)
【不競法/形態模倣】知財高判令和7年(ネ)10055<長谷川裁判長>
形態の実質的同一性否定 本件アンケートは、コートの近接写真を用いず、解像度不明な全体画像を携帯電話やパソコン画面上で比較させる方法によるものであり、実際に手に取って観察するのと得られる印象が異なる。 「よく似ている」として80点以上を付した回答者は41.0%ないし44.0%にすぎず、逆に40点未満を付した回答者も7.5%ないし8.5%存在する。 被告商品にチンフラップを付けて襟を立てた状態での着用も「通常の用法に従った」用法と認められる。
知財高判令和7年(行ケ)10051【医薬品】(興亜 v. 東亜)<増田裁判長>
*進歩性× リパスジル点眼剤にポリオレフィン系樹脂(PE、PP)製容器を用いることは、周知技術に基づく設計事項であり容易想到である。 「水性組成物100mL当たりフリー体として0.4g」について 『点眼剤における有効成分の濃度は、所望の効果を奏することが期待できる範囲において当業者が設定する設計事項であって、ヒトに適用することを前提とする点眼液を調製するに当たり、ウサギやサルでの用量を参考にして有効成分の濃度を設計することは、当業者に自明の技術的事項である。
東京地判令和5年(ワ)70083【スライドファスナー用スライダーの胴体】<澁谷裁判長>
【論点①】国外で製造販売された部品(スライダー)が、最終製品(バッグ等)に組み込まれて日本国内で流通した場合、部品メーカーは日本の意匠権侵害の共同不法行為等の責任を負うか。 ⇒負わない。 製造販売が国外で行われた以上、属地主義の原則により日本の意匠権の効力は及ばない。 【論点②】展示会において、意匠権に係る部品(スライダー)が組み込まれた最終製品を展示する行為は、当該部品の「譲渡のための展示」に該当するか。 ⇒本件では、該当しない。
東京地判令和6年(ワ)70478【モニタリングシステム】<髙橋裁判長>
原告自身の公然実施発明である「GPS BoT」を主引例として、進歩性× 『乙38発明(GPS BoT)は、被見守り者が所持する端末が、インターバル情報に応じたタイミングで位置情報を送信し、不明なタイミングでバッテリ残量情報の送信をするものであり、本件技術事項は、被保護者が所持する端末が位置情報とバッテリ残量情報を同時に送信する技術であるから、乙38発明と本件技術事項は、位置情報とバッテリ残量情報の送信のタイミングの設定という共通の課題を有し、いずれも被見守り者ないし被保護者…
【知財実務オンライン】米国特許IDS実務の見直し ~「念のため全部出す」から「ルールベースの選定」へ~(Kim and Stewart LLP パートナー カリフォルニア州弁護士・米国パテントエージェント・日本弁理士 竹内茂樹)
米国特許のIDS実務について、従来の「念のため、把握した文献を全部提出する」という運用を改め、①文献の関連性・累積性、②提出時期と費用、③将来の権利行使可能性を考慮した「ルールベースの選定」に移行すべきである。 もっとも、IDSを実質的に廃止してよいという趣旨ではない。 THERASENSE判決後、不公正行為の立証要件は厳格化されたが、情報開示義務自体は依然として存在する。
【不競法2条7項】大阪地判令和7年(ワ)7894<松川裁判長>
①パチンコ台の出玉データ(台データ)は、「限定提供データ」に該当しない。 ②利用規約への同意やbot排除ツール(CT)の設置は、アクセス方法を制限するものであっても、アクセスする「者」を限定するものではないため、「限定提供データ」の要件を満たさない。