【契約】東京地判令和5年(ワ)70680<中島裁判長>
English version: https://www.takaishihideki.com/en/single-post/linkedin-7511582614906929153-en この記事の案内 記事種類:判決紹介 分類:日本その他 論点:契約 / ライセンス / 連帯保証 HP初回掲載日:2026-10-03 表示・分類確認日:2026-10-03 【契約】東京地判令和5年(ワ)70680<中島裁判長> 特許実施権許諾契約に基づく実施料等請求 ⇒認容(被告会社の代表者個人の連帯保証) 原告:特許権利者 被告会社:実施許諾を受けた 被告 B:被告会社の代表取締役(個人) C(訴外):被告会社の財務担当者。原告との連絡窓口だったが、支払いを先延ばしにしていた人物。 被告Bが、「私、Bは債務不履行に際しては最大限のお支払いをさせて頂くことを誓約いたします」という文章を出した。 原告は、「私、Bは」と書いてあるのだから、B個人の財産で払う(=連帯保証)という意味であると主張した。 ⇒本判決は、被告B個人による連帯保証契約が成立していると認
知財高判令和5年(行ケ)10105【電子マネー送金方法】<中平裁判長>
English version: https://www.takaishihideki.com/en/single-post/linkedin-7511583271411982336-en この記事の案内 記事種類:判決紹介 分類:特許 論点:進歩性 / クレーム解釈 HP初回掲載日:2026-10-03 表示・分類確認日:2026-10-03 知財高判令和5年(行ケ)10105【電子マネー送金方法】<中平裁判長> =令和5年(行ケ)10106 *進歩性〇 (1)進歩性あり(主引例:中国特許出願) 本件特許発明の「証明情報(電子証明書)」と、甲1の「身分情報(IDや電話番号)」とは、技術的意義が異なる。 ⇒本件特許発明の「証明情報」はサーバ等で作成されるデジタル署名等を含むものであり、単なるIDとは区別されるため、甲1から容易に想到できるものではない。 (2) 進歩性あり(主引例:Alipay関連技術) 甲7(Alipayの決済システム)の「口座番号」や「パスワード」は、本件特許発明の「証明情報」には当たらない。 https://lnkd.
知財高判令和6年(行ケ)10050【情報処理装置】<宮坂>
English version: https://www.takaishihideki.com/en/single-post/linkedin-7511581303738101760-en この記事の案内 記事種類:判決紹介 分類:特許 論点:発明該当性 / ソフトウェア関連発明 HP初回掲載日:2026-10-03 表示・分類確認日:2026-10-03 知財高判令和6年(行ケ)10050【情報処理装置】<宮坂> 特許有効 <「発明」該当性(自然法則の利用)>について 原告は、減価償却費の計算を含まない処理は抽象的であり、ハードウェア資源を利用した具体的な情報処理とは言えず、単なる人為的な取り決め(ビジネスルール)に過ぎないため「発明」ではないと主張した。 ⇒本件発明は、各演算部や商品最適化部といったソフトウェアによる情報処理が、コンピュータ(CPU、メモリ等)というハードウェア資源を用いて具体的に実現されている。 減価償却費の演算が請求項に明記されていなくても、それを排除するものではなく、明細書には実施例が記載されているため、技術的思想
知財高判令和6年(行ケ)10035【遊技機】<本多裁判長>
English version: https://www.takaishihideki.com/en/single-post/linkedin-7511583628208914432-en この記事の案内 記事種類:判決紹介 分類:特許 論点:進歩性 / 動機付け HP初回掲載日:2026-10-03 表示・分類確認日:2026-10-03 知財高判令和6年(行ケ)10035【遊技機】<本多裁判長> 本願発明は、画像が変位する「画像変位演出」において、振動が発生しない「通常態様」と、振動が発生し大当たり信頼度が高い「特別態様」とを設けた点に特徴がある。 ⇒特許庁は、引用発明(甲1:信頼度の異なる第一・第二演出態様を有する画像変位演出)と、甲2技術事項(スーパーリーチ等の高期待度時に立体表示演出とともに操作ボタンが振動する技術)との組合せにより容易想到とした。 原告は、引用発明の「画像変位演出」と甲2の「立体表示演出」は手法や演出効果が異なり、組合せの動機付けがない旨主張した。 ⇒本判決は、『各演出は、基準となる画像とは異なる見え方をする画
<知財実務オンライン>「傘理論も復活した!しかし、除くクレームはそんなに自由でいいのか?~補正実務の水平的垂直的俯瞰~」(柴田和雄)
English version: https://www.takaishihideki.com/en/single-post/linkedin-7511581786443771905-en この記事の案内 記事種類:講演・動画 分類:特許 論点:除くクレーム / 新規事項 / 進歩性 HP初回掲載日:2026-10-03 表示・分類確認日:2026-10-03 <知財実務オンライン>「傘理論も復活した!しかし、除くクレームはそんなに自由でいいのか?~補正実務の水平的垂直的俯瞰~」(柴田和雄) 現在の日本の実務では、先行技術による拒絶理由(新規性や進歩性違反など)を簡単に回避するための事実上の“常套手段”として多用されている。 審査官・審判官としての知見から、「本当にこんなに自由でいいのか?」と疑問を呈した。 「傘理論(Umbrella Theory)」の復活と発明の変質リスク 「元の請求項が上位概念として包括的(広い傘のよう)であれば、その一部を事後的にくり抜いて除外しても新たな技術的事項の追加にはならない」とする、いわゆる「傘理論」的な
大阪地判令和5年(ワ)12280【防潮壁】<武宮裁判長>
English version: https://www.takaishihideki.com/en/single-post/linkedin-7511582746431975425-en この記事の案内 記事種類:判決紹介 分類:特許 論点:クレーム解釈 / 充足性 / 立証 HP初回掲載日:2026-10-03 表示・分類確認日:2026-10-03 大阪地判令和5年(ワ)12280【防潮壁】<武宮裁判長> 本件明細書の記載や用語の意義から、「透明樹脂板・枠体間の水密用のパッキン」(構成要件B③)とは、「透明樹脂板と枠体との間にパッキンが一部でもあればよい」という意味ではなく、「透明樹脂板と枠体との間の全体を水密化(水が漏れないように)するためのパッキンが存在すること」を要する。 ⇒非充足(被告製品の「ゴムガスケット」だけでは全体が水密化されていない。) +アルミニウム製の「押縁」をメタルパッキンとして考えても、水密であることを立証不足。 Cf. 平成30年(ネ)10034【ソレノイド】<菅野> *「密封嵌合」とは、端部部材それ自体によ
【契約】知財高判令和6年(ネ)10058【水車を利用した青ノリの採苗技術の開発】<清水響>
English version: https://www.takaishihideki.com/en/single-post/linkedin-7511582347021008896-en この記事の案内 記事種類:判決紹介 分類:日本その他 論点:契約 / 共同研究 / 特許取得 HP初回掲載日:2026-10-03 表示・分類確認日:2026-10-03 【契約】知財高判令和6年(ネ)10058【水車を利用した青ノリの採苗技術の開発】<清水響> 1.共同研究契約違反(研究成果の無断公表)の有無 青ノリについて水車採苗を行うという着想自体は、本件共同研究以前の平成10年当時から存在していた。 本件共同研究の目的は採苗の具体的条件の解明等にあったところ、本件公表行為は単に「水車式採苗装置による付着が可能である」ことを示したにすぎず、具体的な技術内容(好適な状況や条件等)を明らかにするものではない。 着想自体は共同研究の前提であって成果ではなく、本件公表行為は「研究成果」の公表には当たらないため、契約違反は認められない。 2.特許取得妨害の有
大阪地判令和6年(ワ)6010【ネットワークブートシステム】<松阿彌裁判長>
英語版を読む / English version この記事の案内 記事の種類:判決紹介 分類:特許 論点:均等論、訂正 HP初回掲載日:2026年10月2日 事件番号(原文表記):令和6年(ワ)6010 表示・分類確認日:2026年10月2日(法的分析の再確認日ではない) 大阪地判令和6年(ワ)6010【ネットワークブートシステム】<松阿彌裁判長> 被告製品は、「読み出しキャッシュ領域に対して書き込み要求信号を受けた際には・・・その領域に対するキャッシュデータを使用しないように制御する(=以後、読み込むことも禁止される)」を充足しない。 (被告製品では、既存データが更新された場合でも、更新前のデータ(既存データ)は世代管理や環境復元等のためにそのまま保存されている。) ※均等論も×(第1要件:非本質的部分) (判旨抜粋) 「使用しないように制御する」とは、文字どおり、その領域を使用しないことを意味し、当該領域に存するデータは読み込まれることがないことになる。・・・ 被告製品では、既存データが更新された場合、既存データがそのまま保存されるとと
知財高判令和6年(ネ)10044【ヘアーアイロン】<中平裁判長>
英語版を読む / English version この記事の案内 記事の種類:判決紹介 分類:特許 論点:訂正 HP初回掲載日:2026年10月2日 事件番号(原文表記):令和6年(ネ)10044 表示・分類確認日:2026年10月2日(法的分析の再確認日ではない) 知財高判令和6年(ネ)10044【ヘアーアイロン】<中平裁判長> *代表権限を有しない者によって権利が譲渡されたとして、現在の特許権者である被控訴人(被告)に対し、特許法74条1項に基づき移転登録手続を求めた事案。 原審は、民法94条2項の類推適用により、控訴人の請求を棄却した。 ⇒控訴棄却(原判決を支持した) 控訴人の真の代表者Eは、平成27年7月頃にはB’らが役員に就任し運営が混乱していることを認識し、遅くとも平成28年11月29日には特許を受ける権利がC’に譲渡されているという虚偽の外観が存在することを認識していた。 それにもかかわらず、Eは令和3年までの約4年間、株主総会決議不存在確認の訴え等を行わず、令和3年8月に同決議の不存在を認める判決が確定した後も、C’から被
東京地判令和5年(ワ)70619【船舶の両舷ドラフト差測定装置】<中島裁判長>
英語版を読む / English version この記事の案内 記事の種類:判決紹介 分類:特許 論点:訂正、職務発明 HP初回掲載日:2026年10月2日 事件番号(原文表記):令和5年(ワ)70619 表示・分類確認日:2026年10月2日(法的分析の再確認日ではない) 東京地判令和5年(ワ)70619【船舶の両舷ドラフト差測定装置】<中島裁判長> 原告は在職中に「船舶のドラフト差測定装置(喫水検査)」に関する発明をした。 ⇒会社が出願したが拒絶査定で特許にならず。 第1次・第2次訴訟: 原告が「特許を受ける権利は自分にある」と訴えたが、裁判所は、職務発明と判断した。原告敗訴。 ⇒その後、原告が個人で出願し、特許権を取得した。(本件特許)。 第3次訴訟: 原告が会社側を特許侵害で訴えたが、職務発明であり、冒認出願であるとして、原告敗訴。 第4次訴訟: 職務発明の対価請求 ⇒会社に利益が生じていないとして原告敗訴。 今回の訴訟(第5次): 原告が「前の裁判で会社が嘘をついたせいで損をした」として提訴。会社も「蒸し返し」であり不当訴訟として反訴