<知財実務オンライン>「傘理論も復活した!しかし、除くクレームはそんなに自由でいいのか?~補正実務の水平的垂直的俯瞰~」(柴田和雄)
English version: https://www.takaishihideki.com/en/single-post/linkedin-7511581786443771905-en この記事の案内 記事種類:講演・動画 分類:特許 論点:除くクレーム / 新規事項 / 進歩性 HP初回掲載日:2026-10-03 表示・分類確認日:2026-10-03 <知財実務オンライン>「傘理論も復活した!しかし、除くクレームはそんなに自由でいいのか?~補正実務の水平的垂直的俯瞰~」(柴田和雄) 現在の日本の実務では、先行技術による拒絶理由(新規性や進歩性違反など)を簡単に回避するための事実上の“常套手段”として多用されている。 審査官・審判官としての知見から、「本当にこんなに自由でいいのか?」と疑問を呈した。 「傘理論(Umbrella Theory)」の復活と発明の変質リスク 「元の請求項が上位概念として包括的(広い傘のよう)であれば、その一部を事後的にくり抜いて除外しても新たな技術的事項の追加にはならない」とする、いわゆる「傘理論」的な
大阪地判令和7年(ワ)12280【防潮壁】<武宮裁判長>
English version: https://www.takaishihideki.com/en/single-post/linkedin-7511582746431975425-en この記事の案内 記事種類:判決紹介 分類:特許 論点:クレーム解釈 / 充足性 / 立証 HP初回掲載日:2026-10-03 表示・分類確認日:2026-10-03 大阪地判令和7年(ワ)12280【防潮壁】<武宮裁判長> 本件明細書の記載や用語の意義から、「透明樹脂板・枠体間の水密用のパッキン」(構成要件B③)とは、「透明樹脂板と枠体との間にパッキンが一部でもあればよい」という意味ではなく、「透明樹脂板と枠体との間の全体を水密化(水が漏れないように)するためのパッキンが存在すること」を要する。 ⇒非充足(被告製品の「ゴムガスケット」だけでは全体が水密化されていない。) +アルミニウム製の「押縁」をメタルパッキンとして考えても、水密であることを立証不足。 Cf. 平成30年(ネ)10034【ソレノイド】<菅野> *「密封嵌合」とは、端部部材それ自体によ
【契約】知財高判令和6年(ネ)10058【水車を利用した青ノリの採苗技術の開発】<清水響>
English version: https://www.takaishihideki.com/en/single-post/linkedin-7511582347021008896-en この記事の案内 記事種類:判決紹介 分類:日本その他 論点:契約 / 共同研究 / 特許取得 HP初回掲載日:2026-10-03 表示・分類確認日:2026-10-03 【契約】知財高判令和6年(ネ)10058【水車を利用した青ノリの採苗技術の開発】<清水響> 1.共同研究契約違反(研究成果の無断公表)の有無 青ノリについて水車採苗を行うという着想自体は、本件共同研究以前の平成10年当時から存在していた。 本件共同研究の目的は採苗の具体的条件の解明等にあったところ、本件公表行為は単に「水車式採苗装置による付着が可能である」ことを示したにすぎず、具体的な技術内容(好適な状況や条件等)を明らかにするものではない。 着想自体は共同研究の前提であって成果ではなく、本件公表行為は「研究成果」の公表には当たらないため、契約違反は認められない。 2.特許取得妨害の有
大阪地判令和6年(ワ)6010【ネットワークブートシステム】<松阿彌裁判長>
英語版を読む / English version この記事の案内 記事の種類:判決紹介 分類:特許 論点:均等論、訂正 HP初回掲載日:2026年10月2日 事件番号(原文表記):令和6年(ワ)6010 表示・分類確認日:2026年10月2日(法的分析の再確認日ではない) 大阪地判令和6年(ワ)6010【ネットワークブートシステム】<松阿彌裁判長> 被告製品は、「読み出しキャッシュ領域に対して書き込み要求信号を受けた際には・・・その領域に対するキャッシュデータを使用しないように制御する(=以後、読み込むことも禁止される)」を充足しない。 (被告製品では、既存データが更新された場合でも、更新前のデータ(既存データ)は世代管理や環境復元等のためにそのまま保存されている。) ※均等論も×(第1要件:非本質的部分) (判旨抜粋) 「使用しないように制御する」とは、文字どおり、その領域を使用しないことを意味し、当該領域に存するデータは読み込まれることがないことになる。・・・ 被告製品では、既存データが更新された場合、既存データがそのまま保存されるとと
知財高判令和6年(ネ)10044【ヘアーアイロン】<中平裁判長>
英語版を読む / English version この記事の案内 記事の種類:判決紹介 分類:特許 論点:訂正 HP初回掲載日:2026年10月2日 事件番号(原文表記):令和6年(ネ)10044 表示・分類確認日:2026年10月2日(法的分析の再確認日ではない) 知財高判令和6年(ネ)10044【ヘアーアイロン】<中平裁判長> *代表権限を有しない者によって権利が譲渡されたとして、現在の特許権者である被控訴人(被告)に対し、特許法74条1項に基づき移転登録手続を求めた事案。 原審は、民法94条2項の類推適用により、控訴人の請求を棄却した。 ⇒控訴棄却(原判決を支持した) 控訴人の真の代表者Eは、平成27年7月頃にはB’らが役員に就任し運営が混乱していることを認識し、遅くとも平成28年11月29日には特許を受ける権利がC’に譲渡されているという虚偽の外観が存在することを認識していた。 それにもかかわらず、Eは令和3年までの約4年間、株主総会決議不存在確認の訴え等を行わず、令和3年8月に同決議の不存在を認める判決が確定した後も、C’から被
東京地判令和5年(ワ)70619【船舶の両舷ドラフト差測定装置】<中島裁判長>
英語版を読む / English version この記事の案内 記事の種類:判決紹介 分類:特許 論点:訂正、職務発明 HP初回掲載日:2026年10月2日 事件番号(原文表記):令和5年(ワ)70619 表示・分類確認日:2026年10月2日(法的分析の再確認日ではない) 東京地判令和5年(ワ)70619【船舶の両舷ドラフト差測定装置】<中島裁判長> 原告は在職中に「船舶のドラフト差測定装置(喫水検査)」に関する発明をした。 ⇒会社が出願したが拒絶査定で特許にならず。 第1次・第2次訴訟: 原告が「特許を受ける権利は自分にある」と訴えたが、裁判所は、職務発明と判断した。原告敗訴。 ⇒その後、原告が個人で出願し、特許権を取得した。(本件特許)。 第3次訴訟: 原告が会社側を特許侵害で訴えたが、職務発明であり、冒認出願であるとして、原告敗訴。 第4次訴訟: 職務発明の対価請求 ⇒会社に利益が生じていないとして原告敗訴。 今回の訴訟(第5次): 原告が「前の裁判で会社が嘘をついたせいで損をした」として提訴。会社も「蒸し返し」であり不当訴訟として反訴
知財高判令和5年(行ケ)10139【遊技機】<清水響裁判長>
英語版を読む / English version この記事の案内 記事の種類:判決紹介 分類:特許 論点:進歩性、訂正 HP初回掲載日:2026年10月2日 事件番号(原文表記):令和5年(行ケ)10139 表示・分類確認日:2026年10月2日(法的分析の再確認日ではない) 知財高判令和5年(行ケ)10139【遊技機】<清水響裁判長> 発明の内容:「一部オートモード」において、重要度の低い演出(第一操作要求演出)は自動でボタンが押されたことになるが、当落に関わる重要な演出(第二操作要求演出/当落分岐)については自動操作の対象外とし、遊技者自身に操作させる。 引用文献には、「オートボタン」の設定として「一部オート」が可能であり、例えば「激熱演出時(期待度の高い演出)のみ非オート(遊技者に操作させたい)にしてもよい」という記載があった。 ⇒進歩性× 拒絶査定の段階で示されていた「引用発明2」と、審決で用いられた「引用発明1」は、同じ文献(甲1)に基づくものであり、内容は実質的に共通していた。 ⇒不意打ちには当たらない。 https://lnkd
東京地判令和5年(ワ)70219【商取引システム】<杉浦裁判長>
英語版を読む / English version この記事の案内 記事の種類:判決紹介 分類:特許 論点:クレーム解釈、訂正 HP初回掲載日:2026年10月2日 事件番号(原文表記):令和5年(ワ)70219 表示・分類確認日:2026年10月2日(法的分析の再確認日ではない) 東京地判令和5年(ワ)70219【商取引システム】<杉浦裁判長> 構成要件D(「通関認証装置から、関税に関する情報を含む事前通関情報を取得するステップ」) 本件プログラムにおいて、関税に関する情報といえるものはHS CODEのみであるが、これは原則として出品者が自ら入力すべき情報とされている。 本件プログラムを実行して入力した商品情報が認証サーバで審査され、「登録完了」というステータス情報を受信することは認められるものの、それ以外に関税に関する情報を受信することを認めるに足りる証拠はない。 本件明細書の記載によれば、「関税に関する情報」とは、関税の率や額、関税を計算するための情報(HSコード等)を指すと理解されるところ、「登録完了」のステータス情報自体は「関税に関
知財高判令和5年(行ケ)10144【食品電場処理装置用直流超高電圧電源装置】<中平裁判長>
英語版を読む / English version この記事の案内 記事の種類:判決紹介 分類:特許 論点:進歩性、訂正 HP初回掲載日:2026年10月2日 事件番号(原文表記):令和5年(行ケ)10144 表示・分類確認日:2026年10月2日(法的分析の再確認日ではない) 知財高判令和5年(行ケ)10144【食品電場処理装置用直流超高電圧電源装置】<中平裁判長> 審決で追加された参考文献1~4は、原告が意見書で周知性を争ったことに対応して、当該技術が様々な分野で周知であることを裏付けるための補強証拠として追加されたにすぎない。 ⇒新たな拒絶理由を認定したものではないから、改めて拒絶理通知を行う必要はなかった。 本願発明の当業者は、食品電場処理装置の技術常識に加え、それに関連する部材である「直流高電圧電源装置」の技術分野の技術をも知悉する者である。 ⇒相違点1(高電圧変圧器を用いずに直流超高電圧を供給する点)について、引用文献2や参考文献1ないし4等の記載から、コッククロフトウォルトン回路は、日常的な電気機器を含め直流高電圧を必要とする
東京地判令和5年(ワ)70272【親綱支柱用治具】<國分裁判長>
英語版を読む / English version この記事の案内 記事の種類:判決紹介 分類:特許 論点:クレーム解釈、均等論、訂正 HP初回掲載日:2026年10月2日 事件番号(原文表記):令和5年(ワ)70272 表示・分類確認日:2026年10月2日(法的分析の再確認日ではない) 東京地判令和5年(ワ)70272【親綱支柱用治具】<國分裁判長> *非充足 1.文言非充足 構成要件C:『矩形状の板の端部に形成されたU字状折り曲げ部』 本件発明の「折り曲げ部」は矩形状の板の端部で折り曲げられたものと解されるが、被告製品のフック部は側板の端部にあり、底板(矩形状の板相当)とは連続していない。 構成要件E: 『矩形状の板の長さ>フランジ幅』 被告製品の底板の長さ(100mm)は、取り付け対象のフランジ幅(100mmまたは125mm)より長くない。 2.均等不成立 本件発明と被告製品の相違点(折り曲げ部の位置など)は、本件発明の本質的部分(従来技術に見られない特徴)である(均等の第1要件)。 また、被告製品の構成では本件発明の作用効果(



