

【論稿/米国特許】特許法の域外適用について(龍野文、パテント誌2023年11月)
1.直接侵害(271条(a)) ①システム発明(NTP判決) 構成要素の一部(サーバー等)が米国外にあっても、システムが米国内で『コントロール(制御)され、かつ有益な使用(恩恵)』が米国内で享受されている場合は、米国内での使用とみなされる。
【知財実務オンライン】『進歩性の論点20個を一つ3分で総ざらい』(著者一同、監修=高石秀樹)
【本文要約/判決紹介省略】 「進歩性の全て」の著者陣による担当箇所の説明に付された、高石のコメントの要約である。 1.判断フロー:組合せの動機付けと設計事項は独立した論理であり、個別に検討する。有利不利は事案による。相違点と課題解決の相関が乏しいと設計事項とされやすい。動機付け・阻害要因を争う一方、別ルートとして設計事項を主張することも多い。 2.引用発明の適格性:補足コメントなし。 3.引用発明の認定:審決取消事由として認められることが多い最重要点である。
【論稿/中国特許】中国における優先権主張の注意点-中国最高裁判決の考察を中心として(林軍、胡春豊、パテント誌2023年12月)
中国最高裁(2019)最高法行申12487号判決 1.事件の概要 先の出願134を引例とする新規性欠如(自己衝突)により拒絶査定を受けた。 2.中国最高裁判所の判断:優先権主張× (1)方法のステップの限定(上位概念化のリスク) 先の出願134では「降温する前のステップ(特定の薬剤添加の前後)」を限定していたが、後の出願004の請求項2ではその限定を削除していた。 ⇒降温前のステップを限定しないことは、発明の範囲に実質的な相違を生じさせる。
【論稿/米国特許】米国輸出規制の解説と実務-米国で発生した発明の取り扱いと注意点(チャドリンク、金野豊彦、パテント誌2024年5月)
米国で発生した発明や技術情報を日本国内(または日本人)へ移転する際に適用される『米国輸出管理規則』の解説と、実務上の注意点。 1.「輸出」および「みなし輸出」の定義 米国輸出規制における「輸出」は、物品の物理的な移動だけでなく、外国人に対する情報の開示も含まれる(「みなし輸出(DEEMED EXPORT)」)。 ただし、米国市民や永住権保持者などの「保護された個人」は対象外である。
【論稿/特許】同一特許、同一引用文献で、同日同ヶ部の知財高裁判決(審決取消訴訟と侵害訴訟)における新規性判断が分かれ、また、訂正の再抗弁が時機後れ却下された事例(高石秀樹、パテント誌2024年3月)
無効不成立審決は、本件発明の「情報提供装置」は単独の装置であるのに対し、主引用発明の「学習・生活支援システム1」は「学習・生活支援サーバ2」と「ユーザ端末3」という複数の装置を含むことを相違点と認定して新規性を認め、進歩性も認めた。 侵害訴訟における無効の抗弁においては、(一審段階から)無効不成立審決が認定した相違点が一致点となるように、主引用発明の「学習・生活支援サーバ2」と「ユーザ端末3」とを含む「学習・生活支援システム1」ではなく、「学習・生活支援サーバ2」のみが本件…


【論稿/商標】役務「飲食物の提供」の分野における地名を含む結合商標の類否(中村祥二、パテント誌2024年3月)
1.問題の所在 地名+店名を組み合わせた結合商標について、特許庁が商標登録の可否を審査する際、以下の2つのアプローチのどちらをとるかが問題となる。 アプローチ内容部分抽出識別力の弱い「地名」部分を除いて、残りの文字だけを他の商標と比較する判決と、全体を一つの商標として他の商標と比較する判決があり、一貫性がないように見える。
【商標】知財高判令和7年(ネ)10068『2ch』<森冨裁判長>
(原審・東京地判令和6年(ワ)70003) インターネット上の転送設定や、画面上の動画表示が、「2ch」の商標権侵害には当たらないとした一審(東京地裁)の判決が支持された。 DNSの転送機能の設定画面におけるドメイン名の入力行為は、商標法2条3項8号所定の標章の「使用」に該当しないと判断した原審を維持した。
【論稿/特許】進歩性判断における設計事項についての調査(鈴木守、長嶺浩之、パテント誌2024年9月)
「設計事項」の認定基準、特に直接的な証拠(副引例)を示すことなく進歩性を否定できる条件を、装置・システム分野の裁判例に基づき調査した。 実務上、証拠を伴わずに設計事項が認められた裁判例は以下の3類型に集約される。 ①数値範囲の限定:明細書に数値限定の根拠や技術的意義(臨界的意義)が記載されておらず、単に公知技術の具体的適用に伴う最適化とみなされる場合。
【論稿/特許】進歩性判断のダブルスタンダード(高石秀樹、パテント誌2024年6月)
『設計事項』の分水嶺 相違点に係る構成が「発明の課題」と相関し、その技術的意義が明細書に開示されているか否かが、容易想到性を分ける決定的な境界線となっている。 数値限定やパラメータ発明において、相違点が単なる設計事項として片付けられるか、あるいは進歩性が認められるかは、その数値限定やパラメータが「本件発明の課題解決」にどう寄与するかに依存する。 ①進歩性を肯定するロジック: 発明の課題が非公知であるか、あるいは課題解決とパラメータが強く相関している。
【論稿/特許】意匠法における創作者の認定(藤本一、パテント誌2024年10月)
裁判例の傾向として、口頭の供述だけで創作者性を覆すことは極めて難しく、図面や業務日報などの客観的な証拠が不可欠である。 創作者の認定は、典型的には、❶係争対象意匠の意匠に係る物品の性質、用途、使用態様、公知意匠にはない新規な創作部分の存否等を参酌して、取引者・需要者の最も注意を惹きやすい創作的特徴を把握し、❷創作者であると主張する者が当該創作的特徴の創作的な作出を行ったといえるか、というステップで行われる。 <東京高判平1(行ケ)162【送電線用引留クランプ】事件>